2007年12月29日

Kinji Fukasaku

テレビ東京のとある番組で、深作欣二監督についてやってました。とりたてて注目していた監督さんでもなかったのですが、俄然興味が沸きましたよ。

深作欣二監督といえば、遺作となった「バトル・ロワイヤル」の印象が強い方も多いでしょう。往年の「仁義なき戦い」シリーズも代表作と言われていますし、クエンティン・タランティーノが深作監督をリスペクトしているのは有名な話ですね。
深作監督のデビュー作「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」という作品では、千葉真一が主演しているのですが、監督は最初に「腕の長さを測らせてくれ」と言ってきたそうです。千葉さんの腕の長さにピッタリあったライフル銃を作って、クルッとと回せるようにしたいとのこと。作品を観ると、そのアクションのスピード感が尋常でないことに気がつきます。1961年ですよ!今年も、再放送されていた「特攻野郎Aチーム」をチラッと観たとき、アクション・シーンのあまりのスピード感の無さに驚いたものでした。80年代のアメリカ作品でさえ、今観ると動きが緩慢に見えるのに、深作監督のデビュー作は、考えられないスピード感がありました。それでも、早すぎたのか、10年以上の間作品は売れず…。「仁義なき戦い」シリーズが始まるまでは不遇だったようです。
松方弘樹北野たけしが語っていましたが、画面内の演出は、それは細かいものだったようです。隙間無く画面を人で埋め尽くすようなときは、小さく映る端の人から順々に演技をつけていくそうで、「動きが2秒遅い」とか自身の感覚にそぐわないと納得されなかったとか。そこまで計算され尽くしてはじめて、あのスピード感と緊張感溢れる画面になるのかと感銘を受けました。すごい監督さんだったんだね。

もうひとつ。
深作監督は、あんなに暴力を描いていて、実は暴力が嫌いだということ。戦争中、中学生の時、爆撃を受けて飛び散った人の手足を集めさせられた経験があるそうです。それは壮絶な体験だったでしょうね。それが、暴力をリアルに描き続ける原点になっていたらしいのですよ。「バトル・ロワイヤル」に出演する若いキャストたちに、その体験を直接語っていらっしゃった姿が印象的でした。

モノクロは苦手なんだけど、古い深作作品が観てみたくなりました。
posted by nbm at 16:01| Comment(6) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マジ、フリーダムすぎる!

短い記事を連発で書こう!そうだ!そうだ!

「空の境界」というアニメ作品が気になり、世界観が共通していると言われる「真月譚 月姫」「Fate/stay night」を観てみました。奈須きのこさんという方が原作者なのですが、きのこ、マジ、フリーダムすぎる…。

まず「真月譚 月姫」は、真祖(吸血鬼)の姫と”直死の魔眼”を持つ少年とが、邪悪な吸血鬼を倒していくストーリー。こちらは、わりとフツーでした。
で、「Fate/stay night」。これが、マジ、フリーダムすぎる。今日は完全ネタバレでいきますよ。基本ストーリーはですね。聖杯を得るために、7人の魔術師とその魔術師が召喚した戦士であるサーヴァントが一組になって、7組が戦うというものです。サーヴァントは、過去の英霊ということになっていて、ヘラクレスだったりアーサー王だったりするのですが、佐々木小次郎が出てきて「俺は架空の人物だ」なんて自分で言ってたり。7人のはずが、8人目のサーヴァントが現れたり、サーヴァントがサーヴァントを召喚しちゃったり、過去からだけでなく未来からも呼んじゃったり、で実はそれが主人公である魔術師の未来の姿だったり。普通の人間が甲野善紀さんみたいな感じで魔術師でもないのにマスターになって、その上サーヴァントと同等に強かったり、ほんと、マジ、フリーダムすぎる。元々は、アダルトゲームなのですがね。

アニメやゲームの世界の設定というのは、えてして複雑なものですが、ここまで広げていいんかいというほど、広がりすぎて収拾がつかない状態になるのも考え物だ、と初めて思いました。作ったはずのルールを掟破りで破ってばかりという印象でしたね。観てて疲れた。
これね。こうなると「空の境界」はどうなんだろうな。ちょっと、不安が…。手を出さない方が無難かも。
posted by nbm at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック・アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「らき☆すた」よ、どこまでゆく?

ちょっとエレクトリックな気分だったので、The Chemical BrothersをWMPで聴いていたところ、途中で「らき☆すた」のリミックス・アルバム『ラキスタノキワミ、アッー』【してやんよ】からの曲が紛れてました(爆)ダンナさんのいたずらです。いやでも笑い事ではなく、このリミックスは完成度高いですよ。もちろん、アニメのキャラの歌っている部分があるわけですが、ボーカル抜いて聴いたら、フツーの方もうなると思われます。あのJAM Projectが歌っている「もってけ!セーラーふく」「JAMがもってった!セーラーふく」が収録されていることもあり、オリコンのシングル・デイリー・チャートでSMAPの「弾丸ライナー」に次いで2位を記録するという快挙(陰謀?)を達成。リミックスの中でもTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが手がけた「もってけ!セーラーふく EX.Motte[k]remix」A-beeが手がけた「もってけ!ニーソックス」2組は、本職がエレクトロニカ系の方々。特に前者は、単なるアニソンを超越したすばらしい仕上がりの楽曲になっておりまする。YMO風味でちょっぴり右に傾いた感じ(?)。

もうひとつ。別にスノー・ボードはやりませんけども、この時期聴きたくなるのが「WHITE OUT」っつーコンピレーション・アルバム。スノーボーダーのために毎年くりだされる作品でございまして、今年で4枚目とあいなります。スノーボーダーが聴くに相応しいスピード感溢れる選曲がウリ。ミクスチャー系・ヒップホップ系・ラウドロック系などを織り交ぜたユニークな選曲になってます。
中でも、毎年レギュラーで起用されるsmorgasがお気に入りで、今日は寒々しい曇り空に、久々にsmorgasが聴きたくなったというわけです。以前から、実力がものすごいのに、なぜ売れないのか不思議で仕方がないと思っております。プロモーションが悪いのか、ロクに活動してないのか…。やる気ないんか。


posted by nbm at 14:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月24日

貝殻と小石

福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』を読んでみました。もう少し、いろいろな話が楽しめるかなと期待していたのですが、ポス・ドク(博士研究員)としての研究日誌的な感じだったのが、個人的には少し残念。それはそれで興味深いものなのですが、別の機会にまとめてほしかった。タイトルに期待しすぎた私が悪いんです…。はい。

さて、読んでいて最初に面白いと感じたのは、シュレディンガーの考え方でした。って、生物学の話のはずなのに、なぜに物理学者?まぁまぁ。実は、シュレディンガーは、原子のサイズと生物のサイズとを考え、原子はなぜにそんなに小さく、生物はそれなりの(?)大きさになるのだろうかと考えたわけです。原子は、ブラウン運動によって絶え間なく、不規則に動いています。もうひとつ、拡散によっても動いていて、なにしろランダムに動いているわけですよね。どちらかというと、この拡散というのがわかりやすいのですが、透明な水を満たした容器にインクを垂らしたら、その色はだんだんと広がります。それは、濃度の濃い方から薄い方へと色の粒子が移動していくからで、あくまでもランダムな粒子の動きによるはずなのだけれど、これが拡散ということらしいです。そして、それがつまり平均という概念につながるのです。生物は、私たちの体も含めて、小さな原子で構成されているはずで、それが実はこんなことになっているわけですよね。拡散で平均に均されてるって言っても、なにしろ粒子はランダムに動いているわけだから、中には粒子が動く平均からわずかに外れるヤツらというのがいる。この例外的なふるまいをする粒子は、平方根の法則によると、100個の粒子ならルート100つまり10個の粒子が例外的な動きをするのだそうです。単純に考えると、10%の割合で、イレギュラーな粒子が出るということになるので、その誤差を限りなく小さくするために原子をある程度たくさん集めれば、被害は全体から考えれば少なくなることになります。それで、生物はある程度の大きさになった方が安全性が高くなるというわけですね。生物のサイズを決めているのは、もちろんこれだけが理由というわけじゃないとは思いますが。

いつか書きたいと思っていたのですが、おかしなタンパク質について、少し書かれていました。
その前に、エントロピーのことについて書かないとね。エントロピーとはランダムさ加減のことで、エントロピーが増大するということは、ものごとが複雑化していくことになります。先ほど触れた拡散が均一にランダムな状態に達するように、エントロピーは最大の方向に流れ、最大値に達するとその増大は止まる。物理学的に考えると、原子の成長過程というか、時間の経過というか、生物の生命維持・成長の過程は、常にエントロピーが増大する方向に流れていることになるらしい。とすると、エントロピーが最大値になるということは、生命体の場合、死を意味することに。生き続けるためには、負のエントロピーが必要になるのです。
生命体が、生命維持するためには、食べ物を食べて、その栄養を自身の体に取り込む代謝ということが欠かせない。そうすることで、無数の細胞は生き死にを繰り返して、生まれ変わりつつ成長したり機能を保ったりするわけで。この代謝こそが、負のエントロピーということになりそうです。
さて、タンパク質のお話。昨今問題視されているアルツハイマー病とかヤコブ病や狂牛病というプリオン病。これらは、タンパク質が立体構造に異常を起こして発病するとされています。アミロイド前駆体や異常型プリオンタンパク質と呼ばれるものがそれ。以前から、「ウィルスとか病原菌とかと同等に、体を作るはずのタンパク質が危ない物質になるって何?」と理解できなかったのですが、ちょっとわかった感じ。このエントロピー増大によって、要らなくなった細胞が溜まっていく速度が、新しいものを作り出す速度を上回ってしまう。つまり、廃棄物が溜まっていくことでタンパク質が変質してしまうということなのでしょう。本来、細胞内の平衡状態が保てなくなってしまったということ。このあたりは、別の機会にもう少し勉強してみたいです。

もうひとつ。ちょっと、脱線なのですが、プロトポンプってヤツの役割がわかって、胃腸薬のしくみが理解できました。細胞膜上のプロトポンプという装置が、その区画内にプロトン(水素イオン)を汲み入れることで、その区画内のpHを下げる仕組みになってる。pHが下がるってことは、酸性になるってことですよね。だから、たとえば胃酸過多の症状であれば、胃腸の粘膜のプロトポンプの装置を止めてしまえばよいということに。酸性にしにくくするということですよね。これが世に言うプロトポンプ阻害剤、つまりH2ブロッカーと呼ばれるヤツです。ちょっとわかったぞ!

いやぁ、忙しかったもので、やっつけ記事になってしまったのは否めないな。説明不足な部分は、ごめんなさい。
結局、”生物と無生物のあいだ”の話はほとんど出てこない印象でした。両者の違いが、代謝するか否かと、自己増殖できるか否かと言われていること(大体)をわかった上で読まないとわからない本だな。そこから先の話になってましたからね。ただ、海辺に落ちている貝殻と小石の話は象徴的でした。知識が無ければ、どっちが生物でどっちが無生物かなんてわからないものね。どっちでもいいか(笑)

posted by nbm at 00:45| Comment(10) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月22日

イッツ・ア・スモール・ワールド!

昨日、ケヴィン・ベーコン数という概念を知ったのであります。ケヴィン・ベーコンと共演した人をベーコン数1とすると、その人ベーコン数1の人と共演した人はベーコン数2。元となっているケヴィン・ベーコンからつながりが離れていくごとに数が1つずつ加算されていく。こんな風に表すとすると、ハリウッドの俳優さんたちは、ほとんどがベーコン数1か2で収まってしまうらしい。ハリウッド俳優のベーコン数の平均は、数年前で2.86だってさ。IMDbに登録してある俳優さんに限るらしいですが。もちろん、ケヴィン・ベーコンが俳優活動を続ける限り、裾野は広がっていくわけで、すでにベーコン数の平均はもっと上がっているでしょうね。しかし、ケヴィン・ベーコンってのが微妙で、いいとこついてるね。でも、これが誰か他の人でも、結果は同じなのでしょうね。
このネタは、古い話になりますが、コチラでベーコン数を検索できます。思いつきで、ちょっと縁の無さそうなブルース・リーで検索してみましたが、ベーコン数は、なんと3(爆)簡単に繋がるもんだね。
もともとは、ハンガリーの数学者ポール・エルデシュという人をネタに、エルデシュ本人と共同研究した人をエルデシュ数1、その人と共同研究した人をエルデシュ数2と考え、冗談半分に数えてみたことがあるらしく、これが元ネタらしい。もう少し遡ると、1960年代にスタンレー・ミルグラムというアメリカの心理学者が行った有名な実験で知られる六次の隔たりにもつながってくるというわけで。これは、スモールワールド現象とも言われていて、無作為に選んだ2人の人間の間は、平均して6人の知り合いを介することでつながるというもの。これらをアメリカのテレビ番組が、ケヴィン・ベーコンという俳優を使って実験してみたという話。で、俳優も数学者もその業界が狭く、エルデシュ数やベーコン数は一般社会よりも少ない数になるらしい。
ミルグラムの実験は、手紙を使ったもので、現代でいうところのSNSの概念とつながるともいえるみたい。「友達の友達はみんな友達」みたいな。
生体間でもPC同士でも、ウィルスがなぜこんなに簡単に広まるのか。こういった概念を考えていくと、その仕組みが少し理解できそうです。ネットワークというものの性質から言って、テロリストのリーダーを捕まえても、同じ思想を持つテロリストは、テロリストのネットワークのそこここで生まれてしまう。それじゃ、”もぐらたたき”だねぇ。アルバート・ラズロ・バラバシというハンガリーの理論物理学者が、「新ネットワーク思考」という著書で、そんなことも警告されているそうです。

そういえば、日本のテレビ番組でも、こんな企画をやっていたのを覚えてます。街行く人に、番組出演者を知っていそうな人を紹介してくださいとお願いしていくわけです。すると、何人目かには、出演者本人を直接知っている人に到達するという企画だったかな。芸能人は、つながりやすいかもしれませんね。私自身は、いわゆる芸能人の方とお酒を飲むなんて機会はありませんが、友人たちの話を聞いていると、「織田裕二と飲んだ」だの「AIと飲んだ」だの「ダンテと飲んだ」だの(笑)なんて話を、とにかくよく耳にします。
知ってる人同士が糸で繋がってて、それが目に見えるとしたら、この世界はがんじがらめになって見えることでしょうね(笑)ネットの世界だって、リアルの友人を辿っていけば、わずか6人ほどであなたに辿り着くかもしれないという…。なんか、怖っ!

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2007年12月21日

多層化する視点

衝撃のニュース!その1
この1月、マキシマムザホルモンEnter Shikariダブルヘッドで東名阪ツアーをするそうです(爆)サマソニで意気投合したらしい。
あぁ、私の嗅覚は間違っていなかったのね。私の嗅覚が嗅ぎつけた別個のバンド2つが、ここに融合するとは。このニュースを記念して、昨日からEnter Shikariを聴いてますよ。

衝撃のニュース!その2
ダン・フォーゲルバーグ逝く…。やまおさんのところで知りました。アコースティック・ギター1本で地味だけど、美しい曲を奏でる人だった…。特に「Longer」とか、ホントに名曲ですよねぇ。この時代は、いろんなジャンルの音楽がヒット・チャートに上る時代で、節操無く楽しんでいたものです。
ご冥福をお祈りします。

やっと、年賀状作成が終わりました(嬉泣)実家分2バージョンと義母分2バージョンを作成し、印刷屋としての義務を果たし終え、今度は自分の所の年賀状を2バージョン作成してやっと版が完成いたしました!あとは印刷して書くだけ。ってそれが大変なんだよね?でも、一段落して、もうすべて終わったような気分。ふぅ。

IllustratorやPhotoshopを使って年賀状を作っているわけですが、こいつらはレイヤーという概念なしには語れません。”重ね合わせ”ですね。例えば、干支のイラストが描いてある1枚と、賀詞の書いてある1枚と、自分の住所が書いてある1枚と、それぞれ背景が透明な1枚1枚を重ね合わせて、全部が表示された年賀状を作るとします。重ね合わせれば、3枚は1枚に見えるけど、実は3枚で構成されているわけです。
例を変えて考えてみましょう。アニメーションは、まず描かれた背景があって、その上で、透明なセル画に描かれたキャラクターを重ねて撮影されていたわけですよね。セル画は消えつつあるようですが、PCで描いても原理は同じでしょう。背景の世界の上に人物をのせる。世界は、レイヤー構造で表されているのです。

最近のアニメを観ていて、異世界に対する考え方が変わってきているのを感じます。以前は、パラレルワールドを描くときは、ここではないどこかと時空を超えて繋がっているという表現でした。感覚的には、横に平行移動しているような感じ。ですが、最近は、異世界とこの世界は重なり合っているという設定が多い。感覚的には、縦に垂直に移動しているような感じです。異世界は、この世界に他ならないわけです。
例えば、『灼眼のシャナ』という作品では、人でないもの同士の戦いのときに封絶と呼ばれる結界を張って戦う。封絶を張ると、人間界の活動は全て一時停止し、人はストップモーションに。戦いで破壊されたものは、封絶内のものであれば後で復元できるという都合のよい設定。でも、異世界の戦いがこの世で行われているのに、戦いの場だけが封絶で異世界化されている、人や町並みはそっくりそのままなのに、そこは異世界という設定。アニメでは、景色はそのままに、赤くなった世界として表現されてます。
『神霊狩』では、この世である”現世(うつしよ)”と異世界である”幽世(かくりよ)”は完全に重なってます。主人公の少年たちは、”魂抜け”つまり幽体離脱することで、現世と幽世を行き来することになります。まだよくわからないのですが、幽世は、古代からのあらゆる生命体の幽霊たちが漂っている場所らしく、アノマロカリスの幽霊がふわふわ浮いてたりするし、モスマンみたいなのもいたりして(笑)そんな輩が、舞台となっている九州の山間の村にうようよいる感じ。原作者の士郎正宗さんも明言してます。
当初は、睡眠中に幽体離脱してしまう体質(?)の3人の男子高校生が、「大人の視点」「社会常識的視点」を獲得していく周囲をよそに、現実世界と重なった異世界に出入りする事で、独自の視点や考え方を得て色々考えながら日常生活するお話だった。何かの事件を解決したり、影で活躍したりといった大仕掛けなものではなく、異世界と現実の境目をうろうろする事によってもたらされる「多層化する視点」を描いて楽しもうという趣旨だ。

企画としては古く、1987年にはできていたというこの話。電脳化されつつある現代なら、当時よりもこの”レイヤー感”とでもいえる概念が理解しやすいような気もします。現代のこの世界は、コンピュータ・ネットワークの中という異世界と重なり合っていますからね。
シリーズ構成・脚本を担当されている小中千昭さんが、『ツイン・ピークス』の「何でもない妄想のなかに、実はいろいろなものがあるのかもしれない」部分を参考にしていると言っています。『ツイン・ピークス』も、何の変哲もない町が、異世界と重なっている話といってよいでしょう。日常に潜む異世界…。
どこか別の場所でなく、この世界こそが、何かの拍子に簡単に異世界となりえるという不安。自分が異世界に行くのではなく、異世界の方が自分の上に降ってくるような身近な恐怖。捉え方は様々でしょうが、パラレル・ワールドが、分岐した別世界でなく、限りなく重ねあわされたレイヤー構造と考えるのも面白いものです。
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2007年12月18日

本の探偵さん

片手は人のために
でも もう片っぽは 自分のために

これは、近隣の図書館のティーンズ・コーナーに飾ってある色紙に書いてあった、赤木かん子さんのことばです。かなり以前からよく利用する図書館ですが、ティーンズ・コーナーにはあまり足を踏み入れたことが無くて、ひと月ほど前にこの色紙を見つけました。
「人のため」と言われると、ひねくれ者の私は、どうしても偽善的な匂いを嗅ぎ取ってしまって素直に受け取れないのが常なのですが、このことばはスッと心に入り込んできました。最初に「人のため」と言っておきながら、強調しているのは「自分のため」という感じがしたからでしょうか。人のために自分を失くす必要はない。そいう言われた気がしたのです。

私が赤木かん子さんを知ったのは去年あたりだったでしょうか。やはり、図書館でしたが、それは別の図書館で。子供の本のコーナーに、セレクションにひどく良いセンスを感じるSFの短編集のシリーズがあり、編者としての赤木かん子さんを知ったのです。赤木さんは、児童文学評論家という肩書きで活動されているようですが、編まれた本を見るとそんなカタい印象ではなく、とにかく面白い作品を紹介してくれるという感じです。本の探偵として、「昔読んで面白かったけど、タイトルや作者がわからない」なんて作品を、探し出してくれるという活動をされていて、それは今もご本人のHPで続けられているようです。私もそんな本があるので、いつか依頼してみようっと。

ちなみに、そのSFの短編集は、ポプラ社から出ている『SFセレクション』というシリーズで、テーマごとに洋の東西を問わず、星新一からフレドリック・ブラウンからカート・ヴォネガットからと、実に幅広い短編の名作が編まれています。漫画作品も掲載されていたりして、例えば『宇宙の孤独』の中には、手塚治虫「安達が原」が入っていたりします。このシリーズは他に、『時空の旅』『ロボットvs.人間』『科学者たちの陰謀』『地球最後の日』『変身願望〜メタモルフォーゼ』『未来世界へようこそ』というテーマのものがあります。
ポプラ社によるテーマ別のセレクションはこの『SFセレクション』の他にも面白そうなシリーズがあり、『あなたのための小さな物語』とか、『ホラーセレクション』なんかも、とっても面白そうです。子供が楽しめるようにと編まれた作品ですが、大人が読んでももちろん楽しめるのではないかと思います。

さて、つい昨日、また別の方面で、赤木かん子さんのお名前を見ました。宮崎駿監督の強力プッシュもあり、ジブリ美術館の提供で公開となったロシアの古いアニメーション映画『雪の女王』(1957)。この作品についての赤木さんのエッセイが、公式HPに載ってました。
なんとなく観た記憶がある作品ではありますが、今までテレビなどで放映されたのは英訳を日本語訳した吹き替え版だったようで、今回はロシア語のオリジナル版が基になっているということです。

こんな記事を書いていたら、無性にSFの短編が読みたくなりました。でも、今、図書館から借りている本が10冊ほどあります。まだほとんど読んでない(泣)ちょっと、ガマンです。
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2007年12月16日

輝け!nbm Awards 2007!(書籍編)

今日は、今年読んだ本のまとめです。おそらく、年間100冊も読んでないと思います。内訳としては、半分以上が自然科学系の本。小説はあまり読んでいないような…。本は、主に2つの図書館から借りてくるのですが、すべての履歴が残っているわけではないので、ほとんど忘れてます。来年は、どこかにメモしとこうっと。ブログで触れた本のうち、今年読んだものは50冊ほど。その中で、特に印象的だったものを挙げたいと思います。例によって、今年出版されたものとは限りませんので、あしからず。

自伝部門       『14歳』 千原ジュニア
             関連記事→俺が今いる世界で一緒に戦おう
             ひきこもり…そこに至るまでとその最中と抜け出るまで。
             素直にありのままが描かれていることに好感が持てる。

SF部門        『マルドゥック・スクランブル』シリーズ 冲方丁
             関連記事→愛すべきねずみたち
             映像化はやっぱり難しいかも。
             ウフコックがあまりに魅力的で…。

文芸部門       『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
             関連記事→ハッピー・ハッピー(コアラにあらず)
             文章を読んでいて、色のコントラストを強く感じた作品。
             キュートなファンタジーで登場人物がみな魅力的。
             『アサッテの人』 諏訪哲史
             関連記事→あろーんなげんーぬ、なっちゅるい
             こちらは音にこだわった作品。
             自分と世界との関係とか意外と深い。  

写真部門       『幽霊城』 サイモン・マースデン
             関連記事→幽霊城
             物質が媒体となって物事を記録する話から
             欧州各国の古城を撮った写真たちが素敵。        

ノンフィクション部門 『悪魔のピクニック』 タラス・グレスコー
             関連記事1→「悪魔のピクニック」その1
             関連記事2→「ワインが安い国に酔っ払いはいない」
             禁じられた食べ物を食べ歩くというテーマ。
             そこから各国の事情が見え隠れするのが楽しかった。 

自然科学部門     『新しい宇宙観』 フレッド・ホイル
             関連記事→古くても「新しい宇宙観」
             地球が人口増加で飽和状態となること。
             早々と予見していた先見の明に脱帽。

こんな感じでしょうか。読書に関しては、自分の感じるままに本を選んで読んでいます。ベストセラー的な作品も追いかけたりしますが、そういった作品よりも、自分の感性で選んだ本の方がやっぱり面白いし、印象に残る。そして、身になります。色々な方面から教えていただいた本をはじめ、来年もマイペースで興味のもてる本をできるだけたくさん読みたいと思います。
ラベル:nbm Awards
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2007年12月14日

輝け!nbm Awards 2007!(アニメ編)

何が大変って、アニメ編が一番大変です。おもに年の後半に多くの作品を観ているのですが、50タイトルはくだらないと思われ…。少ないと思わないで下さい。アニメ作品の場合は、長編映画作品を除けば、大体1タイトルにつき13話もしくは2クールなら倍の26話ほど話数があります。1話30分で仮に全部13話だとして換算しても、映画が1本90分だとすると、映画だったら軽く200タイトルは観ている計算になりますよ。完全にアフォです。しかし、今や年間いくつの作品が作られていることか。まったく観きれませんや。

あまりに雑多なので、収集がつかん…。まずはOP・ED賞から。オープニング・エンディングが優れていた作品です。
OP・ED賞  『DEATH NOTE』OP 映像はコチラ
        「What's up, people?!」マキシマムザホルモン
        音楽部門では触れませんでしたが、ホルモンがやってくれました!
        アニメーションとの絡みが絶妙で完成度が高い!

        『さよなら絶望先生』OP 映像はコチラ
        「人として軸がぶれている」大槻ケンジと絶望少女達 
        これまた強烈でした!色使いといい構図といい斬新。
        来年1月からの続編にも期待。

        『ef -a tale of memories.』OP 映像はコチラ
        「euphoric field」ELISA
        『さよなら絶望先生』もそうなのですが、シャフトのセンスは抜群。
        作品世界の内容を反映しつつ、構図と色使いが印象的。
        本編もちょっと実験的ですが。


長編作品賞   『時をかける少女』
        アニメに興味の無い人も、楽しめたであろう稀有な作品。
        繰り返し映画化されてきた原作が新鮮に蘇る。

        『秒速5センチメートル』
        新海誠作品を連続で4作鑑賞。
        背景の美しさは抜きん出ていますね。


発掘賞     『ジェノサイバー』
        いまだに拙ブログに、この検索でたどり着かれる方が。
        大人の鑑賞に堪える作品の草分け的存在でしょうか。


萌え〜賞    『ぽてまよ』
        現在、このPCの壁紙はコイツです(笑)
        「パンの歌」で踊るぽてまよにノックアウトされました。

        『らき☆すた』
        なんのことはないフツーの女子高生たちの日常。
        しかし、なんでしょう。このフィーバーは。
        EDがいちいち笑えました。

        『涼宮ハルヒの憂鬱』
        原作を読むにつれ、「長門はオレの嫁」と豪語する人が
        後を絶たないのがわかってきたような。

        『みなみけ』
        現在放送中のものは、対象外にしようかと思いましたが
        今はなんといっても南家3姉妹かわゆし!
        製作会社が交代という実験的試み、どうなるでしょう。


電波賞     『撲殺天使ドクロちゃん』
        1度聴くと、数日は頭から離れない超電波ソングが強力。
        ♪ピピルピルピルピピルピー♪


優秀作品賞   『蟲師』
        これは、絵が美しく、民俗学的なエッセンスを含んだ
        作品世界が絶妙に表現されている名作。

        『ガンスリンガー・ガール』        
        あまりに切ない話で、感情移入して辛かった。
        続編が放映されるそうですね。

        『ローゼンメイデン』
        興味本位で観てみたら、思いの他ハマり…。
        雛苺が止まってしまう場面で号泣(笑)

        『ひぐらしのなく頃に』
        残虐なシーンが物議を醸し、放映中止になったりしました。
        雛見沢シンドローム恐るべし。
        さて、実写版はどうでしょう。


大賞      『電脳コイル』
        コミックや小説の原作をアニメ化する作品が多い中
        オリジナルストーリーでここまで練られた内容はスゴイ。
        様々なアンチテーゼを含みつつ、結局ハッピーエンドになったのは
        NHKだからかな(笑)


ふぅ〜。こんな感じでしょうか。他にも、女の子のキャラの目が印象的でメカがユニークだった『シムーン』とか、絶望的でイヤ〜な感じの設定だった『ぼくらの』とか、ロボット・アクション系の名作『OVERMANキングゲイナー』とか、たくさんたくさんあるのですが、割愛させていただきます(笑)
ここまで書いてて信じてもらえないかもしれませんが、私がアニメ作品を本格的に観出したのは、30歳くらいからです(爆)もとからアニメ大好きってわけでもなかったのですが、現在はこの体たらく…。
来年はもう少し控えめにしたいものです。てへっ。
           

 
ラベル:nbm Awards
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2007年12月10日

輝け!nbm Awards!(映画DVD編)

前回の記事への5011さんのコメントにより、タイトルを変更させていただきました。

半分引きこもり(←ウソです)の私は、もう何年も映画館で映画を観ていません。もっぱらDVD鑑賞が専門です。つーことで、思いっきり、ロードショーの時期とは関係ない作品を観ることになります。要するに、遅いってことですね。もちろん、古い作品を引っ張り出してきて観ることもありますし。なので、今年の作品ってわけじゃありません。観ている本数も多いわけじゃありません。今年は年間で50タイトルくらいしか観ていませんから、選択の幅が狭いし。あしからず、ということで。

今年は、邦画としては、観たいのに観ていない作品が多いので、邦画編の受賞作は該当ナシとさせていただきましょう。ちなみに、観たいのに観ていない作品で、観ていたら名前をあげていたであろう作品は、『ゆれる』『嫌われ松子の一生』『叫』あたりでしょうか。

それでは洋画編。
韓流部門   『グエムル〜漢江の怪物』(2006)
        韓国映画恐るべし。
        映画とはこうあるべきみたいな作品。
        笑いのセンスも良く、俳優陣がすばらしい。

        『ほえる犬は噛まない』(2000)
        『グエムル』を観て、ポン・ジュノ監督作品がもっと観たくなって。
        呆気に取られる衝撃的なシーンが何度も出てきて…。
        やはり、笑いのセンスがいい。
 
        『殺人の追憶』(2003)
        個人的な韓流キャンペーン第3弾作品。
        渋い作りながら惹きこまれる作品。
        やっぱり”映画”を感じさせてくれる。


ホラー部門  『ディセント』(2005)
        女性ばかり6人という設定が斬新だったパニック・ホラー。
      
        『サイレントヒル』(2006)
        火あぶりはひどいよ。
        看護婦ダンサーズがナイス。

        『スケルトン・キー』(2005)
        アメリカ南部のおどろおどろしい雰囲気が良い。
        アメリカ映画としては血みどろでなく久々にまともな作品。

コメディ部門 『40歳の童貞男』(2005)
        ありがちな日本受けしないコメディとはちょっと違って
        ちゃんと笑えた作品。
 
        『キスキス、バンバン』(2005)
        ロバート・ダウニーJr.ヴァル・キルマーのヤツです。
        期待せずに観たせいか、異様に面白く感じた作品。
        
        『スネーク・フライト』(2006)
        これってコメディだよね?違うの?
        蛇の攻撃にいちいち笑った!
        
SF部門   『トゥモロー・ワールド』(2006)
        SFとしてでなく、戦闘物としてなら傑作。
        
        『イーオン・フラックス』(2005)
        ロケ地や建物、インテリアに衣装が凝ってて新鮮。
        
        
シリアス部門 『ユナイテッド93』(2006)
        犯人側のドキドキ感がすごくよく伝わってきた。
        編集がちょっとわかりにくかったかな。

        『クラッシュ』(2004)
        都合よすぎる展開だったけどね。
        マット・ディロンを見直した。

なんか全体的にベタな感じですねぇ。ひねりがなくてすんません。ま、そんなもんか。あらためて自分の書く作品に対するコメントを見てみると、結構部分部分で評価してるケースが多いのね。作品全体として観ろよって感じですか。そこいくと、韓国映画3作品は、映画としての統一感というか、”映画”として完成されている感が強く、驚いた次第であります。アニメの延長やTVドラマの延長みたいなものでなく。その辺りが、ハリウッドも日本映画も負けている気がします。今年はアニメを観るのに時間を取られすぎました。ちょっと反省。来年は、もう少し多くの映画作品を観たいものです。

ということで、次回はアニメ編かな。


              
     



ラベル:nbm Awards
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2007年12月08日

勝手にAWARDS2007(音楽編)

年の瀬も押し詰まってまいりました。昼間っから甘酒を飲み、ほっこりあったまったりしてますが、ここらで一年の総括をしてみましょう。まずは、音楽編から。

売り上げとか人気とかまったく関係なく、発売時期とかもほぼ関係なく、今年私が聴いた音楽に勝手に賞を授与するという、栄えあるこの賞も今年でめでたく2回目を迎えました!それでは発表とまいりましょう。

今年は、コレ!と言った光った楽曲にめぐり合わなかったので、楽曲賞は残念ながら該当ナシとさせていただきます。

新人賞   9mm Parabellum Bullet  HP
      「Discommunication」がスマッシュ・ヒット!
      ファースト・アルバムも好調の様子。
      微妙な立ち位置をキープしてほしいものです。

      People In The Box  HP
      6月に店頭でミニアルバム「Rabit Hole」を聴いて虜に。
      ART SCHOOLの戸高氏をして
      ”新しいけど懐かしいメリーゴーラウンド”と言わしめた作品。
      なんとタイムリーなことにファースト・アルバムが出たばかりだったのね!
      「Frog Queen」欲しいよぅ!


アルバム賞
邦楽部門  「RADWIMPS4〜おかずのごはん」  RADWIMPS  HP
      これは衝撃的でした!
      ずっと聴かず嫌いしててごめんなさいって感じ。  
      詩の世界と楽曲とテクニックとすべて良し!
      何度も涙した曲ばかり。

      「EPop Making〜Popとの遭遇」  BEAT CRUSADERS  HP   
      聴きこむうちに味が出てきた1枚。
      スプリット作品も入っててお得感あり。
      聴く度に、脳裏を阿藤快さんがよぎるのが難点(笑)

      「shabon songs」  安藤裕子  HP
      特徴のあるボーカルに惹きこまれる1枚。
      女性ボーカルとしては久々のヒット!
      なんかすげぇツボにハマった…

洋楽部門  「The Fat of the Land」  The Prodigy HP
      何を今更と言われそうですが、ベスト盤をきっかけに
      聴き直したら、完成度の高さに驚いた1枚。

      「10,000DAYS」  TOOL HP
      おどろおどろしさがヤミツキになって…
      アルバムのアートワークも楽しかった!3D!

      「Studium Arcadium」  Red Hot Chili Peppers HP
      流石!のひとこと。「Jupiter」の方ばかり聴いてたけど。

よく聴いたで賞  DOPING PANDA、Syrup16g、ACIDMAN、the band apart、Actic Monkeys、KASABIAN、Kula Shakerなどなど。
しかし、聴いた回数として一番多かったのは「もってけ!セーラーふく」だったかも(爆)ということで、このアニメ「らき☆すた」のテーマ曲が今年の大賞だ!
ご存知ない方もいらっしゃるやもしれませんが、いまやオリコンの上位30位には、毎週アニメ関連のCDが入ってるのですよね。なかでも「らき☆すた」のCDはバカ売れで、テレビ放映はとっくに終わってるというのに、いまだに次々とサブキャラまでもがCDを出し、それが必ず売れるという調子で。
そういやぁ、パチンコのCMで大ブレイクしてしまった「創聖のアクエリオン」の主題歌も変な売れ方でしたねぇ。



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2007年12月07日

タダだけど…タダものでない

昨日は、久々に途中まで書いた記事を誤って消してしまい、気を取り直して書く気にはなれませんでした…。放置…。

さて、とある求人雑誌の片隅に載っていたものが、意外と面白かったのでご紹介。HOOGERBRUGGE.COM
オランダ人のアーティストHAN HOOGERBRUGGEさんの作品が楽しめます。特にNAILSには、くだらん仕掛けのあるフラッシュ・アニメ(だよね?)が27作品。適当にクリックしたりキーを押したりすると、スーツ姿の渋いおっさんが、何やらやらかしてくれます。個人的には、「002 R/D/C/F/K」とか「007 Void」とか「015 Zombie」とか「020 Box」あたりが好き。むしゃくしゃしている方は、是非「005 Soup」をお試しください。

じゃ、もういっちょ映像のネタを。佐藤雅彦さんとユーフラテスが、真心ブラザーズのPVを作っているとのこと。まず「きみとぼく」。続けて、第2弾の「All I want to say to you」という曲も。彼らのHPでちょっとだけ試聴できます。相変わらず、幾何学なキャラが大活躍しているようですね。

ところで、先に挙げた求人雑誌は「Job aidem」。フリーペーパーなので、時折買い物ついでに持ち帰るのですが、求人情報はさることながら、その他の映画・音楽・書籍の情報がちょっとマニアック。雑誌にありがちな巻末の方のワン・コーナーじゃなくて、求人情報の合間に載ってるので、情報量も多い。たとえば映画でも王道の作品じゃなくて、ミニシアター系とかマイナ路線の作品が多い。かつては、あの峰不二子のモデルになったというマリアンヌ・フェイスフル主演『やわらかい手』とか、サッカー不毛の地アメリカでのサッカーチームを追ったドキュメンタリー『ペレを買った男』とか、アホな死に方を追及した『ダーウィン・アワード』とか。これ、クリス・ペンが出てる!デヴィッド・アークエットも出てるし、観なきゃ!(笑)名匠オタール・イオセリアーニ監督(←誰?)の『ここに幸あり』とか、唐十郎『シアトリカル』とか、オシムさんもメッセージを寄せている『サラエボの花』とか。DVDに至ってはヴァンサン・カッセル『変人村』を紹介しているような始末。しかし、すごい邦題だな。

音楽も、ナリの割りにはメロディアスなポップ・ロックを聴かせるThe Last Goodnightに始まり、ピアノ・エモとか言われてるWe Shot The Moonとか、キツネ・レーベル初のミックス・アルバム「Kitsune Boombox Mixed bu Jerry Bouthier」とか、サード・サマー・オブ・ラブとか言われてるSoftとか、JAZZANOVAのフォーク・ポップス・プロジェクトThiefとか。
下手な雑誌より全然感度が高そうなラインナップ。どうなってんだ?タダの求人雑誌ですよ!
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2007年12月05日

グレートハンティング

数日前、何の話からだったか、キラー・カンアンドレ・ザ・ジャアントの足を折った時の話をダンナさんから聞いたばかりでした。昨夜、深夜番組でキラー・カンさんが、その時の映像が入っているというビデオテープを片手に出てきて、聞いたばかりの伝説の映像が観られるかと思いきや、結局その番組内で放送されることはありませんでした…。なぁんだ、期待させやがって。
そうそう、思い出した。キラー・カンさんの話はアホウドリからでした。身長192cmという巨体でありながら、コーナーポストの上から奇声を上げつつ舞い降りて繰り出すフライング・ニー・ドロップは、アルバトロス殺法と呼ばれたのだそうです。その巨体で、コーナーポストから飛び降りること自体、普通では考えられないことで。だって、飛び降りた瞬間に自分の全体重が膝にかかるんですよ。普通、壊れます。カンさんは、そんなことものともせずにやってのけた。伝説のアンドレ・ザ・ジャイアント戦では、試合途中で足を負傷してしまったアンドレを気遣い、わざと足を攻撃するフリをし、最後には件のアルバトロス殺法で足を折ってあげたというわけです。わかりません?アンドレは自分で勝手にケガをしてしまったわけで、それが観衆にバレたらかちょ悪いわけです。それを、わざと足を攻撃することで、カンさんはアンドレを庇ったというわけ。2mを超える巨体のアンドレを骨折させた男として有名になり、その後アメリカなどで活躍したということでした。

はぁ、いつものことながら、前置き長いよ…。
さて、本題です。その、観るとも無く観ていた深夜番組で、マニアックなDVDを紹介していたのですが、中でも印象的だったのは、猪狩りでした。まともに採りあげていたわけではなく、あくまで笑いを取ろうという意図で芸人が選んだ作品だったのですけどね。
猟師のおじさんは、山に着くと、猟犬4頭を放ちました。で、自分はのんきに昼食。すると、犬たちが騒ぎ始めたので、そちらに向かう。行ってみると、犬たちはすでに猪と格闘中。猟師のおじさんは、猟銃を手に持ってはいるものの、犬に任せっきり。ある程度猪が疲れたなというところで「バンッ!」と無造作に一発。間違って、犬を撃たないのかと思うような感じでしたよ。なんか怠惰な猟師さんだなぁと思ったのですが…
番組で紹介されていた映像とは違いますが、こんな感じ

これ、古代から連綿と受け継がれていた立派な猟の手法なんですね。猪の抱え猟というのだそうです。弥生時代の銅鐸にも描かれているのだとか。そんな時代にすでに猟犬を飼っていたのね。
番組を観て、すかさず猪猟に使う猟犬をダンナさんが調べてみたのです。すると、猪猟用に訓練していることがわかりました。子犬の時から丸のままの猪を生で食わせて(襲わせているようにしか見えない…)、訓練しているようなのです。犬も獣だったのねとあらためて思います。
映像はコチラグロ注意!すげぇ嬉しそうに、猪の内臓食ってます(笑)

ところが、すでに環境省によって、この古代から続く犬を使った猟が禁止する方針が発表されているようです。(その後、どうなったのか定かでないのですが)この猟法は、猟銃なんて補助的なもので、犬たちが道具となって猟をしてくれているようなもの。猟銃が要らないってことは、極端なことを言えば小さなナイフでもよいわけです。それも要らないかも。猟をする人=猟銃の所有者として登録管理してきたことが、通用しなくなるということになります。その管理上の問題から、違法に猟をする人を無くすために考えられた措置なのでしょう。また、犬の管理も難しく、猪を襲うけど家畜や人は襲っちゃダメときちんと訓練されていない犬もいるのだとか。はぐれたのか何なのか、猟犬を山に置き去りにする人もいるようで、野犬化すると厄介です。それに、手負いの猪はやはりヤバイらしく、中途半端に追われて傷ついた猪が、人を襲う事故も発生しているようですし。現代で、この猟法を続けていくのは、難しいのかもしれません。

そして、この原始的ともいえる猟を観て思い出したのが、「グレートハンティング」(1975)人がライオンに食われるシーンだとか、人が人に狩られるシーンだとか、狩りをテーマに残酷シーンを売りものにしたドキュメンタリー(一応)映画でしたね。あれはヤラセだという説もあり、眉唾なのですが、衝撃的な映像だったことは確かです。この映画はイタリア産なのですが、「<残酷>=イタリア製作の映画」と頭のなかでと繋がってしまうのはナゼでしょう?ヤコペッティが繰り出した残酷シリーズとか、ダリオ・アルジェント「サスペリア2」(1975)のペンダントで首が千切れるシーンとか(失礼!)、そんなものの印象が強いのでしょうかねぇ。「怖い」とか、「気持ち悪い」とかいうより<残酷>な描写が多いんだよねぇ。

本日のネタもととなった番組では、マトリョミンのDVDも紹介していて、出演者全員が「何これ?!」と連発していたのですが、君らテルミンってものを知らんのかい?
ちなみに、テルミンに触れた記事はコチラへ。
posted by nbm at 11:12| Comment(8) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月03日

緑の砂漠

私の住む周辺は、武蔵野の雑木林が残る地域です。秘密のウォーキング・コースを歩いていると、どんぐりがたくさん落ちているかと思えば、緑の木々の中にぽつねんと赤いもみじがあったりして、雑多な木々が雑然と生えています。秋から冬のこの季節は、足元には落葉樹の落ち葉でふかふかになります。熊笹のような背の低い植物もたくさん生えていて、隙をついては育とうとしている下草たちの逞しさを感じます。得体のの知れない巨大なキノコが生えてたり(笑)積もった落ち葉を掘り返せば、虫たちが隠れているでしょうし、目に見えないバクテリアが活動しているはずです。木々の枝を見上げれば、そこかしこにいろんな種類の鳥たちを見かけます。23区に隣接しているというのに、時にはタヌキが出没し、ホントかウソか最近はイノシシの目撃情報まで。夏場は、カブトムシやクワガタが飛んできて、マンションの廊下に落ちている(笑)わけですが、そいつらも、この雑木林で育まれているのでしょう。

昨日の朝、「サンデープロジェクト」という番組で、杉林の問題を採りあげてました。
実は、ダンナさんのゲロアタック道にいっしょにいってみると、植林された杉林が放置されて荒れ放題。自分のうちの周辺の生き生きとした雑木林とは、印象が全く違います。山間の地域では、きっと植林された杉林を管理する人が減っているのであろうことは想像に難くなかったのですがね。実際に行ってみて、そんなことを感じたのを思い出しました。
国内の森林の約4割が人工林。そして、人工林の実に8割が放置状態という現状だそうですが、根深い問題があるようです。

まず元凶は、杉の人工林が戦後の国策として進められていた結果だということ。針葉樹の杉や檜は生長が速く、お金に繋がるということで進められた計画だったよう。住宅の建築ラッシュも後押しをしたのでしょうね。植えると補助金がもらえるということで、多くの人が元々生えていた自然の広葉樹の木々を伐採し、針葉樹に植え替えてしまった。ところが、40年経って育った頃には安価な輸入木材に対抗できず、国産木材のシェアは伸びないまま。自然林と違って、管理に非常に手間がかかる人工林は、山間の村の高齢化とともに放置されることに。

近年の花粉症患者の増加は、やたらに増やした杉林が原因とも言われているようですね。
直接行って見るとわかりますが、杉林の下には、下草はほとんど生えていません。整然と並んだ杉の間はスカスカ。針葉樹を間伐せずに放置すると、伸びた枝で日光が遮られて他の植物が育たない。死んだ森では、食物を失って動物が暮らせず、杉林はクマが里に下りる原因のひとつとも言われています。下草が生長しないことは、土地が保水力を失って土砂崩れの原因にもなるそうです。土砂が流れ出すと、川や海をも汚染することになり、沿岸でカキなどの養殖をしている地域では、広葉樹に植え替える運動も始まっているとか。針葉樹は根も弱く、風にも弱いのだそうですよ。山の林道では、確かに倒木も多く見かけます。
ちなみに、杉は樹齢50年を過ぎるとほとんど呼吸しなくなって、二酸化炭素の吸収も極端に落ちるということ。そろそろ50年経つんじゃないですか?最近息苦しくない?(ウソです)
ここで勘違いしてはいけないのは、杉自体がいけないということでなくて、人工林を管理できない現状がよろしくないということ。杉の人工林であっても、間伐などの手入れがなされれば、広葉樹林と同等の役目を果たすことができる面もあるらしい。そのためには、人手と、木材が流通する基礎を作らなければならないけれど。これが実際難しいわけで…。しかも、一度植林してしまったら、後には簡単に戻れない。

番組では、「限界集落は無い」と言い切る自治体も紹介していました。高知県の旧・十和村(現四万十町)。国策で杉の植林を勧められるが、それを頑として断り、自分たちの山を守ったといいます。村の森林の6割が天然林。限界集落化する村の天然林が3割ほどということだから、格段に天然林が多い。その結果、今は椎茸作りなどの地場産業が盛んで、子供も多く、自立した村づくりができているよう。先見の明がある人がいて、この地域はよかったね。しかし、ここのようなケースは例外中の例外なのでしょう。

番組では、限界集落のことを特集しようとして、その原因のひとつである杉の人工林に行き着いていたのですが、悲惨な状況です。限界集落とは、人口の半分以上が65歳以上で、共同体として成り立たなくなり崩壊の危機にある集落のことだそうです。昨年の国土交通省の調査によると、全国に7873ケ所。そして、10年以内にそのうちの422ケ所が消滅するという結果が出ています。
番組で取材した限界集落では、水道も無く、山から水を引いているも、その水場を管理できるのもあと何年かというお宅もありました。山の中の水源まで歩いて見に行くことが、お年寄りの足では困難だからです。バスの廃線が相次ぎ、一番近い停留所から歩いて1時間…。とほほ。

わが国のやることは、大抵目先に捉われて失敗し、打つ手は後手後手という印象がありますが、人工林の問題もそうですねぇ。民間では、やっと、針葉樹の間に広葉樹を植えるプロジェクトなんかが始まったところらしいですが、このまま放置し続けた結果を考えると、恐ろしい…。国土の6割が森林という国に住んでいて、その4割が人工林で8割が放置されて死んでるから…国土の2割は緑色してるけど砂漠ってことだね。
posted by nbm at 12:09| Comment(8) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする