2011年11月26日

「実在するもの」は、存在しうるものの小さな一部分にすぎない

この世界には、UMAと呼ばれる存在がある。現実に存在するかどうか、確認されていない未確認生物の数々。ちなみにUMAというのは和製英語らしいのだけれども、それはさておき。
しばらく前に、ロシアで雪男の捜索隊が出動したなんて話がニュースになっていた。この現代でも、謎の生物というのはどこかに存在しているのではないかと考えられることがある。
雪男や、ネッシーなどの恐竜に準ずるような生物ならば、進化の過程で絶滅したと思われていたものが実は生き続けていたというパターンかもしれず、シーラカンスみたいに”生きた化石”として発見されてもおかしくないという意味で、存在に真実味が付加されるのだと思う。
大体、かつて地球上に存在していた生物たちでさえ、今存在している動物しか直接知らない私たちにとっては非常識な形状のものが多い。バージェス動物群なんて、今の感覚から言ったら正気の沙汰とは思えない形状をしているものがいる。良く知っているようなつもりでいる恐竜たちでさえも、実は皮膚の色さえわからないわけだから、本当はどういう見た目だったのか誰も知らないわけで。

また、古今東西、幻想動物や伝説上の生物というものは様々いるもの。
あまりに昔のことで、どこで観たのかさえ忘れてしまったのだけれども、たしか学生の頃、ジャッカロープ(当時は”ヴォルパーティンガー”という名前を知らなかった)とか、カッパや人魚のミイラなんかを集めた異形のものの展覧会があって、わくわくしながら鑑賞したことがある。当然、ジャッカロープなんかは、うさぎの剥製に鳥の翼や何かの牙をくっつけて作られたキメラなのであるけれども、偽者だとか本物だとか、そんなことはどうでもいいのであって、ただ奇妙なものを愛でたいという、それだけのことで。そうはいいながらも、こんなのが本当に存在したら面白いのにと、想像するのが楽しいのだ。

そんな私にぴったりの本を発見。それが、『秘密の動物誌』(ジョアン・フォンクベルタ、ペレ・フォルミゲーラ 著)。
今は亡きペーター・アーマイゼンハウフェン博士の未発表の研究資料を、偶然見つけた第三者がまとめて1冊の本にしたという体裁。アーマイゼンハウフェン博士は、世界各地をフィールドワークしながら飛び回り、様々な珍しい動物の収集に成功した研究者だということで、写真や標本、デッサンなどが載っている。
インドでは6対の足をもった蛇ソレノグリファ・ポリポディーダを、ガラパゴスでは甲羅を持つ鳥トレスケロニア・アティスを、ドイツではモグラ風ヴォルペルティンガーであるウォルペルティンゲル・バッカブンドゥスを、根室ではイルカとトカゲのあいのこのようなコック・バシロサウルスを、といった具合に、発見した生物たちを分類した資料が続く。
スカティナ・スカティナというのが出てくるのだが、これは何を隠そうジェニー・ハニヴァーである。
一番気に入ったのは、ステゴサウルスのような背びれのついたワニ的な形状の火トカゲ、ピロファグス・カタラナエ。エトナ火山近辺に生息するとされるこいつらは、火を食らい、火を吐くという。これは胃で生成されるガスが空気との接触で燃焼すると考えられており、火を吐くのはいいのだが、実は本人も熱くて辛いようで、もよりの川に飛び込んで消火している写真が載っている(笑)なんというドジっ子キャラ…。

さて、種を明かせば、巻末の製作ノートにはこう書かれている。
『秘密の動物誌』は、1984年にぼくらふたりが行った写真と文章による共同製作から出発したものだ。その当時の目標は、実際には存在しない想像上の植物のカタログ製作によって、「それは写真にうつっているのだから実際に存在するはずだ」といった通俗的論理を皮肉りつつ、写真ドキュメントの説得力の薄弱さをしめすことにあった。

1988年にニューヨーク近代美術館で、そしてバルセロナ国立自然博物館でも、この『秘密の動物誌』の展示が行われたようだ。壮大なほら吹きのように見えて、裏にはこういった意図が隠されているわけである。自然博物館のような科学的に権威ある場所で、19世紀のヴィクトリア朝チックな趣で標本等を展示をすることによって、どうなるか。
この枠組みの下にあるとき、膨大なデータや、微を穿った細部や、それらが発する科学的厳密さの雰囲気が、どんなに途方もない内容ですら観客に信じこまれそうになってしまうのだ……ただ観客自身が、それに抵抗しようという考えを起こさない限り。そしてぼくらとしては、まさにそんな抵抗を望んだ。


インターネット上では、様々な画像や動画を観ることができるけれども、下手に画像処理技術が発達してしまったがために、その真贋を見抜くのはもはや容易ではなくなっている。
たとえば、ホラー映画を観るのなら、それが作り物であることは明白だ。しかし、心霊動画と銘打たれた映像をインターネット上で観るとしたら、偶然何かが映り込んでしまった映像なのか(それが何なのかはさておき)、作為的に作られたものなのか判別することは難しい。
最近は、インターネット上に流れている動画をテレビ局が拾い集めて番組にしてしまうことが多く見受けられるけれども、真贋についてはまったく検証されていないため、何の説明もなく放送すれば、視聴者は鵜呑みにすることだろう。たとえば、映像製作を勉強している学生が課題として作ったフェイク動画を、そんな説明は一切なしに堂々と本物のようにテレビ局が放送していたりする。
こんなことは映像に限ったことではないわけで、噂話や評判など、みなが鵜呑みにすればどこかに利害関係が生じてくるなんてことは既に日常茶飯事だ。
逆に、写真や動画で捉えられなくても、存在するというものも五万とありそうですがね。

真実とは何なのか。
そんなことばかりをつきつめていたら、頭がおかしくなることだろう。
とすれば、簡単な道は二つ。すべてを鵜呑みにするか、信じ込まずにテキトーに流すか。
ということで、私は後者を選択することにしている。
なので、このブログに書かれていることは、真実であると胸を張って言うことはできません(笑)

最後に。この本では、荒俣宏さんが監修し、解説文を載せているのだけれども、そこで気づかされたことがひとつ。
東洋、特に日本では、龍は水に関係する神のような扱いをされることが多い一方、ヨーロッパなどで龍と言えば、火を吐くドラゴンという印象がある。指の本数など細かい違いはあれど、見た目はほとんど同種といってもいいと思うのだけれど、龍といっても捉え方が違ってくるのが不思議だ。
荒俣さんいわく、ドラゴンは体が燃え上がらないように予防策として水辺に暮らしているのではないかとのこと。日本での水と龍との関係とかつっこんでいくと大変なことになりそうなのでスルーするけれども、上記のピロファグス・カタラナエのようなドラゴンが水で燃える体を冷やすという発想はなかなかに説得力があり面白かった(画的にも)

真贋がどうのという話が出たのだけれども、地球上だけに限っても、深海や広大なジャングルなどまだまだ人跡未踏の地域は多く、どんな生物がいるのかなどわかったものではないわけで、そういう意味では今までの常識では考えられないような生物に出くわす可能性も大いにあることになる。
実際、新種の生物などまだまだ発見され続けているのだから。
ということで、この本の中で、アーマイゼンハウフェン博士の業績に対して、バルセロナ国立自然博物館長ペレ・アルベルクさんが寄せている言葉。
「実在するもの」は、存在しうるものの小さな一部分にすぎない

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2011年11月25日

11/14からの地震メモ

11/14からの地震メモです。

茨城・千葉方面を中心に関東地方震源の有感地震は以下の通り。
11月14日14時25分 茨城県沖 M3.5 深さ約30km 最大震度1
11月14日17時31分 茨城県沖 M3.5 深さ約30km 最大震度1
11月15日2時30分  茨城県北部 M2.7 深さ約10km 最大震度1
11月15日4時02分  茨城県北部 M3.8 深さ約20km 最大震度1
11月16日4時56分  茨城県南部 M3.4 深さ約50km 最大震度1
11月16日16時28分 茨城県沖 M3.0 深さ約30km 最大震度1
11月16日20時07分 茨城県沖 M3.4 深さ約40km 最大震度1
11月17日18時43分 茨城県沖 M5.2 深さ約10km 最大震度2
11月17日18時45分 茨城県沖 M4.0 ごく浅い 最大震度1
11月18日5時13分  茨城県北部 M3.3 深さ約10km 最大震度2
11月18日23時41分 千葉県東方沖 M4.1 深さ約10km 最大震度2
11月19日14時46分 千葉県東方沖 M3.1 深さ約30km 最大震度2
11月19日22時38分 茨城県沖 M3.6 深さ約30km 最大震度2
11月20日4時27分  千葉県東方沖 M4.8 深さ約40km 最大震度2
11月20日4時42分  千葉県東方沖 M3.9 深さ約40km 最大震度1
11月20日5時18分  千葉県東方沖 M3.9 深さ約50km 最大震度1
11月20日10時10分 茨城県北部 M3.2 深さ約10km 最大震度2
11月20日10時23分 茨城県北部 M5.5 深さ約10km 最大震度5強
11月20日10時26分 茨城県北部 M4.7 深さ約10km 最大震度3
11月20日11時11分 茨城県南部 M3.0 深さ約50km 最大震度1
11月20日11時42分 茨城県北部 M3.4 深さ約10km 最大震度2
11月20日11時48分 茨城県北部 M3.1 深さ約10km 最大震度1
11月20日14時40分 茨城県北部 M2.6 深さ約10km 最大震度1
11月20日18時38分 茨城県北部 M2.8 ごく浅い 最大震度1
11月20日20時19分 茨城県北部 M2.8 深さ約10km 最大震度1
11月21日6時30分  茨城県北部 M3.2 深さ約10km 最大震度2
11月21日7時54分  茨城県北部 M2.9 深さ約10km 最大震度1
11月21日19時08分 茨城県北部 M3.1 深さ約10km 最大震度1
11月22日2時23分  茨城県北部 M2.5 深さ約10km 最大震度1
11月23日3時40分  茨城県沖 M3.7 深さ約20km 最大震度1
11月23日3時54分  東京湾 M3.3 深さ約90km 最大震度1
11月23日12時38分 千葉県東方沖 M4.7 深さ約30km 最大震度1
11月23日14時33分 茨城県沖 M4.3 ごく浅い 最大震度1
11月23日15時23分 東京湾 M4.0 深さ約100km 最大震度2
11月23日17時55分 茨城県沖 M3.5 深さ約20km 最大震度1
11月23日18時47分 茨城県沖 M3.7 深さ約20km 最大震度1
11月24日1時08分  茨城県沖 M3.5 深さ約20km 最大震度1
11月24日10時16分 茨城県南部 M4.2 深さ約50km 最大震度1
11月24日11時07分 父島近海 M4.7 深さ約10km 最大震度2
11月24日11時26分 栃木県南部 M3.6 深さ約120km 最大震度1
11月24日15時39分 茨城県沖 M3.1 深さ約20km 最大震度1
11月24日19時49分 千葉県東方沖 M3.4 深さ約10km 最大震度1
11月24日21時06分 茨城県沖 M4.0 深さ約10km 最大震度1
11月24日21時47分 埼玉県南部 M3.5 深さ約50km 最大震度2
11月25日4時58分  茨城県北部 M3.1 深さ約10km 最大震度1

多いよ!
東京湾震源の有感地震が23日に2回。最初が千葉サイドの稲毛海岸沖、後の方は神奈川サイドの横須賀市久里浜沖。深いし、大した規模じゃありませんが、東京湾というと大正の関東大震災の震源域という印象があって、イメージがよくないです。特に神奈川側が。
それから、24日久々に埼玉県南部震源も。これは一瞬だけ縦に「ズンッ!」ってきました。

この間の震度4以上となった地震は以下の通り。
11月18日 3時58分 福井県嶺北 M4.8 深さ約10km 最大震度4
11月21日 19時16分 広島県北部 M5.4 深さ約10km 最大震度5弱
11月24日 4時24分 福島県沖 M6.0 深さ約30km 最大震度4
11月24日 19時25分 浦河沖 M6.1 深さ約30km 最大震度5弱
11月25日 4時35分 広島県北部 M4.6 深さ約10km 最大震度4

24日早朝4時の福島県沖の地震は、当地は震度1のはずですが、揺り起こされ、けっこう長い間揺れていました。
短期間に、いろいろな場所が揺れているのがわかりますね。
しかし、11月に入ってからというもの、本当にいろいろな地域で揺れていて、もうなにがなんだか。
ちなみに、この10日間ほどで揺れた震源地の地名を列挙してみましょう。

<北海道地方> 浦河沖・檜山地方・根室半島南東沖・釧路沖・千島列島
<東北地方> 福島県浜通り・福島県沖・福島県会津・福島県中通り、宮城県沖、三陸沖、
       岩手県沖・岩手県内陸南部、青森県三八上北地方・青森県東方沖
       山形県置賜地方、秋田県内陸南部
<関東地方>は上記の通り
<中部・東海地方> 静岡県東部、岐阜県飛騨地方
          新潟県上越地方、長野県北部・長野県中部、福井県嶺北
<関西地方> 京都府南部、大阪府北部、奈良県、紀伊水道
<四国・中国地方> 広島県北部・島根県西部
<九州地方> 熊本県熊本地方、宮崎県南部山沿い、日向灘、鹿児島県大隅地方

いくらなんでも、満遍なく揺れすぎです。

さて、体感ですが、事後報告になりますが、あくまでも個人的なメモなのでスルーしてください。
23日は右耳がボワボワとすることが数度ありました。ボワボワは14日以来のこと。
そして、24日早朝に福島沖(M6.0)。さきほど書いたように、寝てましたが揺れで起きました。
20日には、茨城県北部で最大震度5弱(M5.5)があったわけですが、このときの揺れよりも23日の揺れの方が強かったように思います。どちらも、気象庁の発表では当地は震度1程度。
20日の事前には、特に何も感じることはありませんでした。ただ、前日が荒れた天気だったので、こういうときにはその直後に大き目の地震が起きることがあり、「もしかしたら来るかも」と思っていたので、揺れても「やっぱり来た」とあまり驚かなかったのを覚えてます。やっぱりねぇ、気温や気圧の急激な変化っていうのは、何か地震と関連があるように思えてならないのですが。
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2011年11月22日

弟を大地に葬りし者、いずこにも

ちょっとヘヴィな本が続きます。
今日は、ロバート・スウィンデルズ『弟を地に埋めて』です。タイトルからして、内容の凄まじさの一端が伝わってきます。
核戦争後の極限状況での生活を描いた作品ですが、主人公も10代のようで、ローティーン向けに書かれた作品でしょうか。私が読んだ本には、対象年齢について”中学生から”との表示があります。著者は、1939年イギリス生まれ。平和運動をしていて投獄された経験もあるとのこと。原作がいつ書かれたのかはわかりませんが、日本語版は1988年に出ています。つまり、20年以上も昔の作品です。
核兵器と原発事故とではあまりに違いすぎますが、現実に放射性物質による汚染が起きてしまったわけで、小説の中とはいえ、そういった世界で人はどう暮らしていくのか興味が沸きまして。

今回はネタバレ注意です。
舞台はイギリスのとある田舎町。主人公のダニーは私が読み落としたのか年齢がわかりませんが、おそらく15,6歳といったところ。7歳の弟ベンと食料品店を営む両親と暮らしていたのですが、夏のある日核戦争が起こり、自分の住む町にも核爆弾で攻撃されます。運良く直接的な被害を免れたダニーでしたが、母は死に、町や家はめちゃくちゃに壊され、周囲でも多くの人が亡くなっていきます。
自治体や政府などの支援は一切なく、生き残った者たちは自力で生き抜いていかなければならなくなります。水と食料を確保しようにも、ほとんどが焼けてしまったか、もしくは放射性物質で汚染されています。そして、放射性物質を浴びたことによって、日を追うごとに亡くなっていく人々が増えていきます。
生き残った政治家たちは権力と軍事力を使って支配を広げようとし、労働力にならないような病人や年寄りなどを食糧を消費するだけの存在として始末しようとさえします。一方で、略奪を繰り広げる者もいるし、中には人間を狩って食料にする輩も……
そんな者たちに対抗しようとする勢力も現れてコミュニティを形成するのですが、仲間を増やせば増やすほど食糧問題は切実になり、表面の汚染された土を除去したつもりの畑には奇形の作物しか育たない。
鳥は死に絶えたように見え、僅かに残った蝶も異形。そして、戦争後に生まれる人間の子供も……

頼りにしていた父も死に、自宅の食料品店の食料品も略奪されたダニーは、弟を連れてコミュニティに向かう決意をします。
ぼくたちは、ありったけの服を着こんで店をあとにした。ぼくはポケットにチャーリーの銃をしのばせ、手に持ったプラスチックの買い物袋の中には、はき替え用に二人分の靴を入れていた。
前に、あるアメリカの少年の話を本で読んだことがあった。そいつは学校を退学になってばかりいた。あるとき、また別の学校を追い出されることになって、でていこうとしたときに、思わず、ふりかえって校舎を見た。別れをおしもうとしたのだ。ところが、何の感情も沸いてこなかったという。ぼくたちが店をでたときも、ちょうどそんなふうだった。生まれ育った場所を離れるんだから、何か心に感じるはずだと思うかもしれないけど、本当に何も感じなかったのだ。思うんだけど、人間の感情って、限りがあるんじゃないだろうか。使い切ってしまうと、品切れみたいになって、もうどんなことが起こっても、何も感じることができなくなってしまうんじゃないだろうか。とにかく、悲しくも何ともないなんてどういうことなんだろう、などと考えていたら、あの本のことを思いだしたのだ。

この作品の中では、”夢遊病者”と呼ばれる存在が出てくるのだけれども、彼らは核戦争のショックで正気を失った人々。そこまでいかずとも、ダニーは母を失い、そして父も失い、家も財産も失っています。彼の手元に残ったのは、弟ベンのみ。夏のあの日から数ヶ月、淡々と毎日を生きることだけ考えて過ごしてきたわけで。両親を失ったことも、痛ましい遺体をたくさん目撃したことも、命の危険にさらされたこともあったのに。でも、とにかく”生きる”ことが最優先であって、感情も何もバッサリと切り捨てられていたかのように見えました。

タイトルの通り、最後には放射性物質を浴びたことが原因と思われる障害で、弟ベンは亡くなってしまいます。
そのとき、コミュニティのリーダーが語ってくれた言葉を、ダニーは思い出すのです。
「弟を大地に葬りし者、いずこにも」
訳者の方が著者に聞いたところ、古代エジプトの賢者イプウェルの言葉で、荒廃したエジプトの状況を王(ペピ二世)に報告した文書の中に記されている言葉だという話。
何のなぐさめにもならない言葉なのだけれども、弟を地面の下に埋めたダニーにしてみれば、それまでの生活への決別とこれからの困難極まりない生活への決意が込められているようで、たくましさが伝わってきます。

平和運動をする著者によって意図的に作られたお話であろうと、この本は良質なSF作品だと思います。
ダニーはヘタレだけど、短期間にさまざまなことを体験して急激に成長していきますし、恋の話もあります。
個人的にはオススメです。特に中学生くらいの読者に。

本当の核爆弾の恐ろしさは、実際に経験した広島・長崎の人々でなければ語れないでしょう。この本で描かれた世界は、それに比べたら甘いのかもしれない。けれども、まだまだ甘いと感じるこの本の中の話でさえ、現実に我が身に起こったら乗り越えられるのか自信がありません。
この本の内容から、放射性物質への恐怖を煽るような記事になってしまったかもしれませんが、それは私の意図するところではありません。
放射性物質のことについては、必要最小限のことを簡潔に説明された動画を観ていて、それをまとめて記事に書こうと思っているのですが、そのうち書きます。

数日前、お米を買いました。新米です。
どこの産地のものか迷いましたが、福島県喜多方産のものを買いました。
「安心・安全 検査済シール」という黄色いシールが貼られています。「放射性セシウムの検出されていない地域のお米のみを使用していることを証明する」シールだそうです。
極端なことを言えば、どうにでも適当に作って貼ることができるシールですが、私はあえてこのお米を買おうと思いました。
特に強い思いがあってというわけでもありません。一応シールを信じ、安全だということにして、それなら他の製品と一律に並んでいるだけのもの。あとは好みや気分の問題です。うちはこしひかりを好んで食べているのですが、そのとき一番安いこしひかりが喜多方産だったので、それで決まりです。
購入後、米袋に書いてあったサイトで喜多方地域のこれまでの放射線量を見返してみましたが、私の感覚としては大したことはありませんでした。
食品に放射性物質が含まれているかどうか。そんなことが判断されなければならない世界に、私たちは現実に暮らしているのですね。
だけど、じゃあ原発事故前には食品にまったく放射性物質が含まれてなかったかというと、そうではないはず。気にしてなかっただけで。
でもだからこそ、自分で調べ、自分の基準で判断することが求められるのだと思います。敬遠する人もいるでしょうが、それも自分の判断ですもんね。
posted by nbm at 10:32| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月21日

リアルな言葉を取り戻せ!

アンダーグラウンドな世界を垣間見ることができる都築響一さんの本が面白くて(→過去記事 脳内旅行再び)、今度は『夜露死苦現代詩』を読んでみました。
認知症老人のシュールな言葉、餓死した親子の遺書めいた日記、陰陽石を祀る神社に奉納されたお色気俳句、玉置宏のイントロ曲紹介、風俗チラシのコピー、おみやげものの人生訓、見世物小屋の口上、インディーズの月刊ラップ・ミュージック、誤変換の妙……
暴走族の特攻服の刺繍もありました。特攻服といえば、「憂国」とか「極悪非道」とかそれっぽい漢字の熟語の印象がありましたが、それは80年代の話で、90年代頃からは、もっと長い自作の詩のようなものを刺繍するのがメインになっていたそうです。学校の卒業式用に、特殊制服に刺繍を入れるということも流行ったそうな。読むと吹き出しそうになるような詩なのだけれども、本人たちは大真面目にやってるわけで、それも、命を懸けてやってるわけで。そのあたりが、稚拙な詩をなんとも味わいのあるものに見せているのだろうな、と。著者は、この無駄なものにかけるエネルギーこそが、無駄なものを芸術に昇華させているのではないかというようなことを言っています。

死刑囚の読む俳句などもありましたが、この本の中で一番衝撃的だったのは、やはり餓死していく親子の日記でした。
池袋北口のアパート。夫は4年前に病死。脳に障害を持った寝たきりの40代の息子を抱えた77歳の母は、月に4万円ほどの年金が唯一の収入。家賃は、8万5千円。電気・ガスを使わずにいるために火を使わないスナック菓子などで飢えをしのぎながら、新聞だけは料金を滞納することなく取り続けていたという。家賃や光熱費も滞納はなかったし、母親は身なりも整えていて、近所の人からは困窮しているようには見えなかったという話。
なぜに生活保護を受けなかったのか。役所サイドは申請してくれていれば住宅扶助も含めて月20万円ほどは支給できたケースだという。親子は申請も、相談もしていなかったために、受給できなかったということらしい。
区のお世話になっても、私と、子供は、運命が違うので、外の人同様には、うけられないで、かえって、苦しまねばならぬので、それも出来ない

母は「覚え書き」として書いていた日記にこう記しているのです。
A6判のノートに綴られた「覚え書き」は約3ヶ月に1冊のペースで書かれ、10冊ほど発見されたのだけれども、最後のノートは「69」冊目。1996年3月11日で終わっていて、親子の遺体はは4月27日に発見されました。
上記の引用でもわかるとおり、句点が非常に多い文章で、まるで息も絶え絶えになった状態であえぎながら綴ったように見えるのが痛々しい日記。恨み言を書いているようで、でもどこか矜持を保っているというか、毅然としたようなところもあり、なんとも不思議です。
残念ながら、独居老人の孤独死や生活困窮者の餓死など、今や珍しくないようなことになってしまいました。今の時代、何が起こるかわからない。明日はわが身です。
考えたくはないことであるだけに、脳は想像を拒絶します。が、その拒絶をこじ開けて、起こり得る現実と対峙していかなくてはならないことをつきつけられた気がします。
「覚え書き」全文を載せた本もあるようなのだけれども、断片を読んだだけでもこれだけダウナーになるのだから、全編を読んだりしたら、絶望の淵に引きずり込まれて二度と戻ってこれなくなるような気がします。
ちなみに、役所に保管されていたはずの「覚え書き」の現物は今、行方不明になっているそうです。

あまりにヘヴィだったので、もうひとつ。
著者が、『痴呆系』(データハウス刊)という本を立ち読みしていたとき、目に飛び込んできたのは
人生八王子

というフレーズだったそうで、「なんてすごいフレーズなんだろう」とその場を動けなくなったそうであります。
老人病院で看護助手として働いていた直崎人士さんが、認知症の老人たちが発する無意識のことばを書き留めた「介護記録」なのであるけれども、それがどうにもシュールで面白すぎます。直崎さん曰く、”胡桃の城の山頭火”。胡桃の城というのは、脳のことですね。老人たちの脳の中では、どんなことが起こっているのでしょう。都築さんが直崎さんを取材し、どういう状態でそういった言葉が生まれてきたのかも書かれているのですが、敢えてそれは割愛。ちょっと”胡桃の城の山頭火”さんたちの言葉を抜き出してみます。
あの夏の狸の尻尾がつかめなくって

音の出る坂へバスで行きたいんですが

おまえのおれをかえせ
おれのおまえをかえせ

認知症だけでなく、末期癌患者さんがモルヒネによる幻覚から発している言葉もあるようなのだけれども。
私は何もただ単純に面白がっているつもりはないのです。なぜなら、わが父も認知症。徐々に病状が進んでいく中で、なかなかに面白いことを言うようになってきました。先日は庭の小さな灯篭と犬とを混同していて、ヤツの頭の中では、面白い結びつきが起こるのだなと感心しているところです。
脳内でつなぎ方をミスするがために起こるシュールな言葉の羅列。常人が考え付かないものが詩的に聴こえるという不思議。だからって、わざと意外な組み合わせの言葉を並べてみたところで、意図が見えてしまって本物の迫力が出ないわけで。

あまり明るいテーマでもなかったので、最後にとんちんかんなものをもうひとつ。
それは、「点取占い」。
駄菓子屋さんで売っているアレです。といっても、大阪で作られたものなのに、関西では不人気で主に関東に出荷されているのだそうですが、みなさんはご存知でしょうか。
ちなみに、現在販売しているワカエ紙工の山田博社長によると、関西では言葉に意味づけしたがる傾向にあり、関東では感覚的にとらえておもしろがってくれるそうで、だから関東の方が売れるのではないかというお話。
大阪天王寺にあったミヤギトーイという玩具会社が、昭和10年に発売した「点取辻占」というものがもとになっていて、戦災で一度焼失したものを戦後ゼロから作り直したのが「点取占い」なのだそう。その後、販売する会社は移っていったものの、ミヤギトーイの宮城昭三社長が自ら考案したというその文言はそのまま受け継がれているらしい。添えられているイラストは、当初一人のデザイナーによって描かれたそうだけれども、宮城社長からは「なるべく泥臭く描いて欲しい」と依頼されたのだとか。ただ、それだけでは間に合わず、宮城社長や奥さん、従業員に至るまでが”お絵かき”したものもあるという。
ミヤギトーイ版の籤は、672種。
雨の降る日は天気が悪いとは知らなかった 1点
カッパにお尻をなめられる 5点
グッときたね 9点
鉛筆で書くのはきらいだがけづるのはすきだ 2点
もう何が何だかわからない 4点
あまりパッとしない顔をしているね 2点
給食はなるべくおいしくしてもらいたい 7点
便所の中で歌を歌っているのは誰だろう 6点
自分の寝言は聞いたことがない 2点
丁度よいようになりました 10点
お前は三角野郎だ 5点

やっぱり意味わかんねぇ。
本来、籤に書かれた白丸・黒丸・半黒丸により、一袋16枚(販売当初は24枚)の籤の白丸合計−黒丸合計が正の数であれば半黒丸合計を引き、負の数であれば半黒丸合計を足すというルールによって、それが50点以上か否かで運・不運を占うという趣向らしいのだけれども、そんな風に遊んだ覚えはないな。
とにかく、書いてある文句のシュールさにいちいち笑っていたような覚えはあるけれども。

ポエトリー・リーディングとか朗読会とか、何か詩が復権してきているように感じるのだけれども、この本を読んで私の頭に浮かんだのは、吟遊詩人というものでした。
形は多岐にわたっているけれども、今のこの時代を言葉にして残している一般市民たちがたくさんいるのだ、と。なかなかたくましいものだなと思った次第です。
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2011年11月14日

11/7からの地震メモ

いつもの地震メモ。11/7からの有感地震です。

今回は千葉・茨城だけでなく関東近県の震源もいっしょに。
11月7日 23時42分 栃木県北部 M4.5 深さ約10km 最大震度3
11月9日 4時21分  茨城県沖 M3.8 深さ約50km 最大震度1
11月9日 10時10分 茨城県沖 M3.4 深さ約40km 最大震度1
11月9日 10時19分 茨城県北部 M3.5 深さ約10km 最大震度2
11月9日 14時24分 茨城県沖 M4.0 深さ約40km 最大震度3
11月9日 15時13分 神奈川県東部 M3.7 深さ約110km 最大震度1
11月12日 0時23分 茨城県北部 M3.4 深さ約10km 最大震度2
11月13日 21時27分 千葉県北西部 M3.3 深さ約80km 最大震度1
11月14日 4時40分 千葉県南部 M4.2 深さ約70km 最大震度2

スロースリップとか言ってたわりに千葉がおとなしいのが逆に気になります。
それと、スロースリップと言われ始めてから、神奈川が揺れるのはイヤな感じ。

↓こんなのがありました。深くてよかったけど規模がデカい…。
11月8日 10時37分 沖縄本島近海  M4.0 深さ約240km 最大震度2
11月8日 11時59分 沖縄本島北西沖 M6.8 深さ約220km 最大震度4

この間、上記以外にもあまりにいろんなところが揺れ過ぎ。規模は小さいのですが。
和歌山県北部、留萌地方中北部、長野県中部、静岡県伊豆地方、愛媛県南予、秋田県内陸南部、愛知県西部、日向灘、鹿児島県薩摩地方、静岡県東部、広島県北部etc.
東北地方の太平洋側は相変わらずコンスタントに揺れてますが、他にちょっと書き出してみただけでもこれだけバラエティに富んだ地名が並びます。
これまで8ヶ月近く有感地震を見てきて、短期間にここまであっちこっちが揺れたのはなかったかも。どこかが集中的に揺れていると他はお休みという感覚がありましたが、これはどうとらえたらよいものか。

ちなみに、先ほど、超久しぶりに、右耳にボワボワと圧を感じました。
数秒ボワボワしては数分置いてまたボワボワみたいな感じで続き、それが4回ほど繰り返されました。
ここ数日は体調があまりよろしくないので、単にそのせいだと思います。微熱や動悸、アイスピック頭痛などがありまして、しかし今日はだいぶ良くなりました。
ほんとにもう更年期ですかねぇ。
posted by nbm at 12:19| Comment(8) | TrackBack(0) | 地震 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月08日

11/3からの地震メモ

11/3からの地震メモです。

11月3日 2時52分  茨城県北部 M3.8 深さ約20km 最大震度1
11月3日 19時34分 茨城県南部 M4.9 深さ約70km 最大震度4
11月3日 23時01分 茨城県北部 M2.9 深さ約10km 最大震度1
11月4日 0時00分  茨城県北部 M3.1 深さ約20km 最大震度1
11月4日 11時59分 茨城県沖 M4.8 深さ約20km 最大震度3
11月4日 23時56分 千葉県北東部 M4.3 深さ約60km 最大震度2
11月5日 0時30分  千葉県北東部 M3.7 深さ約60km 最大震度2
11月5日 0時45分  茨城県北部 M4.2 深さ約10km 最大震度3
11月5日 1時47分  千葉県東方沖 M3.5 深さ約60km 最大震度1
11月5日 18時57分 茨城県沖 M3.9 深さ約30km 最大震度2
11月6日 0時26分  千葉県南東沖 M4.0 深さ約10km 最大震度2
11月6日 8時42分  茨城県沖 M4.3 深さ約20km 最大震度1
11月6日 21時37分 茨城県北部 M2.6 深さ約10km 最大震度1
11月6日 22時10分 茨城県沖 M3.4 深さ約40km 最大震度1
11月7日 12時02分 茨城県北部 M3.1 深さ約10km 最大震度1

昨夜は、こんな↓地震もありました。
11月7日 23時42分 栃木県北部  M4.5  深さ約10km   最大震度3

首都圏の直下型地震の引き金だという説がある茨城県南部の地震ですが、私が記録を始めた3/22以降有感地震は90回ほどありましたが、11/3のM4.9は上から数えて5番目の規模の地震でした。(4月にM5.0が3回、7月にM5.5が1回)強めに揺れたのは久々です。

こちらでは、天気予報が当たらない日が続いています。
20度を超えてあたたかくなると言われた日は、くもりがちで気温がさほどあがらず。かと思えば、まだ半袖で過ごせそうな陽気になったり。もう11月だってのに。ちなみに、今の室温は23度。しかし、外はいい加減涼しい感じがします。
昨夜はまた予報にない激しい雨が降りました。通り雨といった感じなのですが、インターネットで雨雲レーダーを見ると、うちの方だけ黄色やオレンジの表示になってました(笑)広い範囲を見渡すと、斜めにかかる細長い雲が西から東へと抜けていってます。
10月の初旬にも予報にない激しい雨が降るということが数日続きました。必ず夜遅い時間帯で、激しく、一時的。南西から北東へ伸びる細い帯状の雲が、西から東へ通過していくパターンです。

一方で、雨雲レーダーが正しく表示されないという症状が続いています。うちでは、アメネットさいたまというサイトを愛用してますが、夏頃からだったでしょうか、埼玉県南中部や都下のほんの一部だけちょぼちょぼと小さな雨雲が常時表示されてまして、雨なんか降ってないのにおかしいなと思ってました。すると、10/3付で↓こんなお断りが……
埼玉県南中部を中心に降雨が無いにもかかわらず、降雨表示となっている部分があります。この誤表示はただいま修正する方向で調整しています。

おかしいとは思っていたのですが、まだ修正されてない模様。
何かが正しく観測することを邪魔しているようなのですが、それは一体何なのか。
posted by nbm at 11:42| Comment(4) | TrackBack(0) | 地震 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月02日

10/26からの地震メモ(房総沖スロースリップ発生中)

今日は、数日前のショッキングなニュースから。
房総半島沖で、この10月にスロースリップが確認されたとのことです。
防災科学技術研究所では、<房総半島沖で「スロー地震」再来>として、詳しい資料が公開されてます。
国土地理院のサイトの添付資料の方がわかりやすいかもしれません。→房総半島沖でプレート境界面のゆっくり滑り(スロースリップ)現象を検出
これまでは、約6年周期で発生していた房総半島沖のスロースリップが、前回から約4年という短い間隔で始まったとのことで、過去30年の観測の中では、一番短い周期だということ。東日本大震災の影響で、周期が早まったのではないかという見方がされています。
前回は、2007年8月。フィリピン海プレートが日本列島の下側にもぐりこんでいく場所が相模トラフですが、このフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界が1週間かけて約10cmずれたスロー地震が起きました。これは地震波を出さず地震計には記録されないもの。このときは、スロー地震に伴って、最大マグニチュード5.3、最大震度5弱の地震が発生。
防災科学技術研究所では、2000年から運用が開始された高感度地震観測網(Hi-net)で、これを捉えたわけですが、今回また同様のことが起きていて、それ以前の観測と考え合わせると、今までより短い間隔でスロー地震が起きているとのこと。
ちなみに、相模トラフは、過去に関東大震災などの大地震を引き起こした場所でもあります。
今回、千葉県勝浦市沖合の海面から深さ約20kmにある、海側のプレートと陸側のプレートの境界の地盤がゆっくり移動していることが観測され、移動した地盤は東西約80km南北約20kmの範囲で、31日までに南東方向に約6センチずれ動いているそうです。
このことから、気象庁は、関東でやや規模の大きい地震が起きる可能性が高まったとして、揺れに注意するよう呼びかけをしています。

気象庁がテレビのニュースなどメディアを使って大々的にこういった地震に対する注意喚起をするのは、今までなかったことなのではないかと。
東日本大震災を契機に、地震の可能性を積極的に公開してこなかったことを悔やむ地震研究者たちが目立つようになりましたが、そのことを差し引いても、今関東は大きな地震が高確率で起きる危機に直面しているということなのでしょう。
スロースリップといえば、東海地震の指標としての印象が強かったのですが、そちらよりも先に房総半島沖を注意せねばならなくなるとは…。

10/26からの地震メモです。千葉・茨城方面の有感地震を記録しています。

10月26日13時19分 茨城県沖 M4.0 深さ約20km 最大震度3
10月26日21時03分 千葉県東方沖 M3.3 深さ約20km 最大震度2
10月27日10時22分 茨城県沖 M4.2 深さ約10km 最大震度1
10月27日12時57分 茨城県北部 M3.1 深さ約10km 最大震度1
10月27日19時12分 茨城県北部 M2.7 深さ約10km 最大震度1
10月28日2時39分  千葉県東方沖 M3.7 深さ約30km 最大震度2
10月28日5時23分  茨城県北部 M3.1 深さ約20km 最大震度1
10月29日2時12分  千葉県東方沖 M4.0 深さ約10km 最大震度2
10月29日5時02分  茨城県沖 M3.7 深さ約10km 最大震度1
10月29日8時18分  茨城県北部 M3.5 深さ約10km 最大震度1
10月29日11時56分 千葉県南部 M3.6 深さ約20km 最大震度2
10月29日15時28分 千葉県東方沖 M2.8 深さ約10km 最大震度1
10月29日23時45分 千葉県南東沖 M3.1 深さ約20km 最大震度1
10月30日0時11分  千葉県東方沖 M3.0 深さ約20km 最大震度1
10月30日7時36分  千葉県南東沖 M3.0 深さ約20km 最大震度1
10月30日18時03分 茨城県北部 M3.1 深さ約10km 最大震度2
10月31日3時52分  茨城県北部 M3.1 深さ約20km 最大震度1
10月31日4時36分  茨城県北部 M3.5 深さ約10km 最大震度1
10月31日10時31分 茨城県南部 M3.9 深さ約50km 最大震度2
10月31日16時22分 千葉県東方沖 M3.7 深さ約30km 最大震度2
11月1日 2時38分  千葉県南東沖 M3.1 深さ約20km 最大震度1
11月1日 8時19分  千葉県南部 M2.7 深さ約30km 最大震度1
11月1日 11時41分 千葉県南東沖 M3.4 深さ約20km 最大震度1
11月2日 1時21分  茨城県沖 M4.9 深さ約30km 最大震度1
11月2日 7時55分  茨城県沖 M3.9 深さ約50km 最大震度2

前々回(10/20)の地震メモで、
「10月19日千葉県南部(M2.8)というのがありましたが、千葉県南部を震源とする地震は、少なくとも有感地震の記録を始めた3月22日以降で初めて」
と記録しています。コイツが、まさに深さ約20km。
そして、上記を見ると、深さ20〜10kmあたりが集中して揺れているのがわかります。
場所的には、「千葉県東方沖」と「千葉県南東沖」、そして内陸の「千葉県南部」。
「千葉県東方沖」というのは、これまではほぼ”銚子沖”だったのですが、上記の地震はそれよりもずっと南側のエリアの震源もあります。九十九里沿岸南端の一宮町やいすみ市の辺りまで。
上記の地震の震源の「千葉県南東沖」は、御宿町とか勝浦市の沖で、それが内陸側で起きているのが「千葉県南部」表示になってます。
有感地震の記録を見ても、この千葉県の南東エリアが今回のスロースリップに伴って揺れているようですが、防災科学技術研究所の説明の中で相模トラフで起きた関東大震災に触れているように、首都圏直下地震と無関係でもなさそうだというところも気になります。

東日本大震災からこっち、やはり、地震の震源はゆっくりと確実に南下してきています。もちろん、北上している動きもありますが。
宮城県沖から福島県沖へ、そして、茨城県沖に移ってきた震源は、いまや千葉県南東沖まで南下してきました。有感地震だけを見るという漠然とした見方でさえも、地下の崩壊が徐々に伝播していくのがわかります。
もちろん、三陸沖・宮城県沖を中心に東北各地もまだまだ揺れているのですが、なんというか地震活動の中心が移動しているのは否定できません。本体はまだ東北の沖に居るのだけれども、分身が北上したり南下したりしているような感覚です。

とにかく、今はスロースリップに伴う地震にご注意を!
posted by nbm at 12:14| Comment(4) | TrackBack(0) | 地震 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする