2013年01月09日

輝け!nbm Awards 2012<映画編>

ここ数年、観る映画の数が激減しているので、この記事を書くのもためらわれるほどなのですが、備忘録ぐらいのつもりで書きたいと思います。
映画を観たのも、半分はテレビでたまたま放映されていたものを、流し見しているような感じです。その中でこれまた半分くらいは、既に見たことがある作品です。まことに申し訳ない。
nbm Awardsでは、その年に私が観た作品を対象にしています。もう何十年も映画館に行ってないので、DVDかテレビ放映されたものを観ているだけです。よって、最新の作品はほとんどありませんので、あしからず。

<やっと観たで賞>
『サンダーハート』(1992)
ずっと観たいと思いつつ、なかなか観ることができなかった1本。
たまたまテレビ放映されてた。ラッキー。
このくらいの頃は、ヴァル・キルマーはけっこう好きな役者さんであったのだが、段々巨大化されて……
ネイティブ・アメリカンの居留地で起こる事件を、FBI捜査官のヴァル・キルマーと、以前からその事件をおっていた捜査官サム・シェパードが捜査するわけだが、ヴァル・キルマー演じるレイには、ネイティブ・アメリカンの血が流れている。
その血を否定的に考えていたレイが、居留地の人々に触れていく中で変わっていく。
ネイティブ・アメリカンのスピリットが感じられる作品。個人的には、この辺りが非常に興味深い。
で、ヴァル・キルマーご本人も、ネイティブ・アメリカンの血を引いているわけで、彼だからこそ演じることができた役だったのではないかと。本当のところ、自分にネイティブ・アメリカンの血が流れていることをどう考えているのか知らないが。
とにかく、やっと観られて、満足、満足。

<助演男優賞>

ヒース・レジャー 『ダークナイト』(2008)
今語るなら『ダークナイト ライジング』(2012)だろというツッコミが聞こえてきそうですが、やっとこさ『ダークナイト』に追いついたわけで。
いんやぁ、何がすごいって、とにかくすごかった。顔だけでなく心に傷を負った人間が暴走する狂気。それでいて冷静さを欠いていない。どこか1本筋が通ったことを言っているようにさえ感じてしまう。ダーク過ぎるけど、ユーモアも忘れていない。特に、鉛筆を消してみせるシーンなんかは、とてもよかった。
犯行ごとに集めた手下を容赦なく使い捨てにする。そんな手下をどうやって集めるのかと思うが、彼に会ったら心酔する人間なんてたくさんいるのだろうとも思える。ジョーカーは、金に興味があるわけでもなく、人が殺したいわけでもない。ひたすら悪いことをして楽しむ。中でも、人を悪に引きずり込むのが最高に楽しいらしい。
バットマンを悪に染めるために自分を殺させようとするが、バットマンは決して悪に墜ちることはなく。逆に、バットマンは自分を楽しませるおもちゃだとして、決して殺さない。
クリスチャン・ベイルはかわいそうだけど、これはヒース・レジャーの映画だった。ヒース・レジャーの演技はそれはそれは凄まじく、これで命を削ったとしても不思議はないと思うほど。あのジョーカーはジョーカーであってヒース・レジャーではないけれど、同時にどうしようもないくらいヒース・レジャー自身だったのではないかと思う。
普段は、役から演じている役者本人を感じてしまうと興醒めなんだけど、今回のジョーカーばかりは背後にヒース・レジャーを感じて泣いた。
彼が亡くなってもう5年も経つのか……

<主演女優賞>
ナタリー・ポートマン 『ブラック・スワン』(2010)
内容をあまり知らずに観たら、けっこうエロくてびっくり。そりゃあレイティングもかかるわな。15禁だけど、18禁でもいいんじゃないかというくらい。ナタリー・ポートマンは、撫で撫でしてあげたいほど頑張ったと思う。
ナタリー・ポートマン演じるヒロインが、バレエのプリマを目指していくうちに、精神的に追い詰められて錯乱していくのだけれども、それは母親の夢を自分が実現しなければいけないというプレッシャーとの戦いでもあり、いい歳こいて母親の呪縛から離れられない娘の悲劇なわけで。母との確執という部分では自分とも重なり、痛々しい作品だった。
ダーレン・アロノフスキー作品も好き。『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)とか。
だけど、近年の作品は観てないので、元々の作風を残しながらも、洗練されたなぁと思いつつ観ていた。

<原点回帰賞>
『ゾンビ大陸 アフリカン』(2010)
なんつー邦題をつけたんだろうか。まぁ、原題が『THE DEAD』じゃ、つけようもないか。
ブードゥー起源のゾンビがアフリカに里帰り?今まで聞いたことがない、アフリカを舞台にしたゾンビ映画。取り残された米兵と、現地の生き残りとが、いっしょに行動するバディ・ムービーでロード・ムービーみたいな変なゾンビ映画。
しかも、観た後は爽やかな気分になれるという不思議。
近年流行りの走ったりする素早いゾンビと違い、古典的なノロノロゾンビのこの安心感。
しかし、広大なアフリカをどうやって逃げればよいものやら、そっちの方が現実的な難問としてつきつけられる。
新鮮に映る背景に、おなじみのゾンビ。そして、こんなときに男同士の友情。今まで数々のゾンビ映画を観てきたけれど、その中でも上位に入ると思われる秀作。

<nbm大賞>
『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008)
以下では、肝心な所をネタバレしますので、ご注意を。
今話題の『裏切りのサーカス』(2011)を撮ったトーマス・アルフレッドソン監督作品。
この作品は、珍しく公開当時から猛烈に観たいと思った作品だった。ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの原作本『モールス』も読んだ。
スウェーデンのストックホルム郊外の団地に暮らす少年オスカーは、母と二人暮らし。壮絶ないじめに遭っていたオスカーは、そのことを誰にも言えずにひとり悶々と日々を過ごしていた。そんなある夜、団地の中庭でなぞめいた少女エリと出会う。どうやら、隣の部屋に引っ越してきた様子。自分と同年代の少女と言葉を交わしていく中で、オスカーは彼女と友達になりたいと思う。一方、周辺では殺人事件が連続しており、警察は犯人探しにやっきになっていた。そして、オスカーは、ほのかに恋心を抱き始めた相手であるエリが、吸血鬼であることを知るが……
エリの汚らしく邪悪な感じがなんともいえない。冬のスウェーデン。雪の積もる寂しげな景色に、オスカー少年の唇だけが赤く美しい。エリの穢れた雰囲気とオスカーの純真な美しさの対比がすばらしい。
ここからネタバレになりますが、エリは自分のことを「”女の子”ではない」と言う。まず、人間でない時点で「女の子」ではないのだけど、去勢された男の子なわけだ。元々、説明が少ない作品である上に、大事な局部が映るシーンがモザイク処理されてしまっている。これをきっちり映像で見せるか見せないかで、作品全体の捉え方がまったく違ってしまうと思うので、あれは見せるべきシーンだった。だいたい、あるべきものがないのだし。なんでモザイクなのか、わけがわからん。

合わせて、クロエ・グレース・モレッツ主演のハリウッドリメイク作『モールス』(2010)も観たが、ハリウッドリメイクにしては、監督がマット・リーヴスだったからか、わりとまとも。ただし、オリジナル作品に比べてしまうと段違いに陳腐に見える。

原作からすると、『ぼくのエリ』ですらだいぶはしょっている部分があって、わかりにくかったり説明不足だったりするのだけれども、とにかく、美しい作品。もちろん、ヴァンパイアを扱った作品である限り、グロいシーンはあるのだが。
ということで、『裏切りのサーカス』にも期待している。

あれ、けっこう真面目なラインナップになってる。
後は、観た映画の備忘録を覚えている限り。(再)は以前に観たことがある作品。
『運命のボタン』(2009)→思っていた以上にトンデモ映画で、意外に○。
『タイタンの戦い』(2010)→レイ・ハリーハウゼンとは別物だけど悪くない。
『ミックマック』(2009)→とっても楽しい復讐劇。小道具や衣装がいちいちかわいい。
『チェンジリング』(2008)→大好きなジェフリー・ドノヴァンが出てたからそれだけでよし。
『ハンニバル・ライジング』(2007) →日本を描くときはやはりもっと勉強してほしい。
『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005)→坊主頭のナタリー・ポートマンがかわいい。
『アバター』(2009)→これが理想郷かぁ……どこかで観たようなデザインの生物ばかり。
『プラクティカル・マジック』(1998)→ニコール・キッドマンが美しい。
『ミスト』(2007)(再)→いつ観ても欝になる衝撃のラスト。
『ゴースト・シップ』(2002)(再)→いいよね、こういうB級感。
『ヴィレッジ』(2004)(再)→色彩が美しい作品。
『セブン』(1995)(再)→これも欝展開の代表。イヤなんだけど観ちゃうんだよな。
『ボーン・スプレマシー』(2004)(再)→ジェイソン・ボーンのシリーズは大好き。
『ドラキュリア』(2000)(再)→そういえばジェラルド・バトラーだったんだな。
『スペル』(2009)(再)→口から猫が「ニャ」っと飛び出る。サム・ライミ、ナイス。

覚えてるだけですが、20作品くらいしかありません。ほんとはもっと観たいんだけどな。
ラベル:nbm Awards
posted by nbm at 14:53| Comment(8) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新春 初コメントおめでとうございまする

nbmさんも映画はダークでマイナーな路線を
攻めていますね〜
渋い!っていうのかな
精神の裏側をのぞく感覚もいいのかも

主演賞のキルマーは若かりし頃に見た
ドアーズがキマリすぎてよかったんですが
近作のコッポラ監督の映画、ドラキュラ物ですが
これが、見事にコケてしまいました
体格もしっかりとオジサン化していましたしね

ハンニバルも同じ意見!
あの日本絡み以外は出来がよいのだから
日本に固執せずに描けばよかったのだと思います
日本の精神に憧れていたのかな?

今年も沢山の映画が見れますよーに♪
Posted by プリュム at 2013年01月09日 22:19
プリュム 様

本年もよろしくお願いします。

言われてみれば……
2012年は、見事にダークな作品ばかりを見てますね。
特にこだわって選んだつもりはないのですが
自然にそうなっていたという。
2012年はそういう作品に惹かれる年だったのでしょう。

ヴァル・キルマー出演のコッポラ監督ドラキュラものとは
『Virginia/ヴァージニア』(原題:Twixt)でしょうか。
トレイラーを観てきました。
これは、映像を観るための映画ですね。
ヴァル……より残念な感じになってる(苦笑)

『ハンニバル・ライジング』ですが、
原作者トマス・ハリスが映画の脚本も書いてますから
原作者が書いた通り映像化されてるはずなんですが
日本人からみるとハテナという感じですよね。

はぁ、年々観たい映画が溜まっていきます……
それでも最低20作品くらいは観たいです!
Posted by nbm at 2013年01月10日 00:47
明けて10日目おめでとうございます!(笑)

いろいろコメント入れたいところですが、あえて『ミスト』にコメント(笑)
YouTubeで見たのですが、(ファンが作ったのか?)この映画のハッピーエンドヴァージョンと言うのが存在します。
編集を少し変えただけで、あら不思議!
ウツなラストがハッピーエンドに早変わり(笑)

あといかにもB級なオリジナルのラストという映像もありますが、やはり劇場公開されたヴァージョンが一番かなぁ。
Posted by きょしょー at 2013年01月10日 21:57
きょしょー 様

遠慮なさらず、いろいろコメントを入れてくださればよかったのに。

なんか、モノクロ・バージョンてのもあるらしいですね。
それが、フランク・ダラボンが本来撮りたかった形だったとか。
モノクロにしただけで、ずいぶんと雰囲気が違うみたいですね。
でも、モノクロ版でも、ラストは劇場公開版といっしょなんですよね?

Self-Made Alternative EndingってのをYouTubeで観てみました。
これのことかなぁ。
これだと原作オリジナルエンディングに近いですね。
原作も読んだはずだけど、何分かなり昔のことで全く覚えがなくて。

私もフランク・ダラボンが付け足した、劇場公開版のラストが
やっぱり衝撃的で好きですねぇ。
あれと張り合うのは、私には『セブン』くらいしか思いつかないです。
そして、史上稀に見る欝展開のこの2作品を、2012年中に
以前にも観てわかっているにもかかわらず、また観てしまいました(笑)
Posted by nbm at 2013年01月10日 23:39
連投失礼します。
コメント書く前にYouTubeで探したのですが、
Self-Made Alternative Endingしか出て来ませんでした。
ハッピーエンド版(と称してた)は、撃つ描写〜車内で叫ぶ部分をカットして
前後のシーンを多少入れ替えただけなんですけど
たったそれだけで、見事に全員生き残るハッピーエンドに早変わりしてて
目からウロコでした(笑)
編集次第で、映画はどうにでも変えられるんだと改めて教わった感じです。
Posted by きょしょー at 2013年01月11日 22:47
きょしょー 様

ありがとうございます。
おっしゃる動画は、すでに削除されてしまったんでしょうね。
残念ですが、わかりやすい説明をありがとうございます。

編集次第で、映画はどうにでも変えられる。
だからこそ、エンディングの違うバージョンが作られたりするのですよね。
監督の意向が劇場公開版に反映されないと
後に映像が商品化されたときには
特典でディレクターズ・カット版がついたり。
後々、ディレクターズ・カット版が公開されたり。
自分で映画を撮り、編集するきょしょーさんなら
実感されていることなのでしょう。
映画の奥深さを感じますね。
Posted by nbm at 2013年01月11日 23:20
私は、こちらのすべての映画(見ています、じゃないですよ)、ちんぷんかんぷんですが、「映画は変えられる」?へー!!そんなことがあるなんて全く知りませんでした。

みなさんとお話できればなんておもしろいことでしょう!
Posted by 花てぼ at 2013年01月12日 19:07
花てぼ 様

えーと、上にある2012年に私が観た映画は
半分くらいは観る人を選ぶといいますか
マイナーな作品かもしれません。
日本劇場未公開作品も含まれています。

ここで話題となっている『ミスト』という映画は
史上稀に見るくらい後味の悪いラストシーンが有名な作品ですが
そんな作品とて、編集ひとつでどうにでも変えられるのですよね。

いくつかのバージョンが存在する作品もたくさんあります。
ラストがいくつかのパターンに分かれている作品が多いでしょうか。
それぞれの違いを楽しむこともできますね。
DVDやブルーレイなどパッケージ商品化されるときには
いろんなバージョンがセットで販売されることも珍しくありません。

映画もデジタルな時代に変わってきましたから
昔のようにフィルムを切り張りするようなことも必要ありません。
編集技術も昔よりお手軽になってると思いますよ。
Posted by nbm at 2013年01月13日 01:23
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