2008年09月05日

美しきブラックボックス

図書館で何の気なく見つけ、手に取ったこの写真集。う〜ん、美しい。欲しくなっちゃったな、この写真集。
というわけで、本日は『CORE MEMORY ヴィンテージコンピュータの美』をご紹介いたします。amazonではほんのちょっとだけ中身が観られます(裏表紙の写真がオススメ)。今年の2月に出版されたもののようで、当時はある一定の層では話題になっていたようですが、存在をまったく知りませんでした(笑)
タイトル通り、古〜いコンピュータの写真集なのでありますが、その古めかしくもメカメカしい美しさに圧倒されるのであります。整然と並ぶ真空管、色とりどりのコードの束、ボタンやスイッチやツマミの集合体。部品や操作パネルに使われている色が、意外とポップなことに驚かされたりしながら、まじまじと見入るのでありました。初期も初期の頃のラボラトリー・グリーンと言われる、白っぽい緑色。本来は部品を見分けるために着色されたのであろう基盤の部品たち。一見整然と配置されているような膨大な数の部品だけれど、実はひとつひとつに個性があるように見えるのが不思議。「ぼくはここやっとくからさ、きみはそっちね」的な(笑)初期のコンピュータを成しているモノの膨大さといったら、北京オリンピック開会式の人海戦術どころではなくて、これらひとつひとつが力を合わせても、今では笑っちゃうほどのスペックしかなかったこを考えたら、この50年のコンピュータの歩みは、後世の歴史からしたらとんでもない進化だというのがよくわかる。

コンピュータの開発の歴史は、ほぼ軍事開発の歴史と言ってもいいのかもしれない。あとは宇宙開発だよね。そもそもの目的はみな軍事のためだった。例えば、第二次世界大戦の終盤にアメリカで作られたENIACは真空管を18,000本も使った壮観なマシンだけれど、兵器の弾道の軌跡を計算し、新兵器導入までの時間を短縮するのが目的だった。けれども、開発の結果、プログラムを格納する場所が必要だという課題が見つかり、そういった意味でのコンピュータの基礎理論が構築された1台だった。

メインメモリの変遷が、コンピュータの外見を劇的に変えてきたのだということもよくわかる。ドラムメモリや水銀遅延管、真空管といった物量的なものから、磁気コアメモリができたことで、これが集積回路に発展していくわけだよね。コアメモリまで来ると、大分現在のものに近づいた感がある。

総合的に一番美しいと感じたのはSAGEかな。Semi-Automatic Ground Environment(半自動式防空管制組織)というもの。冷戦の時期にソ連の航空侵攻を警戒するために開発されたらしい。コンピュータのネットワークでレーダーデータをリアルタイムで収集分析して、その情報を戦闘機に送るというシステム。実はその頃ソ連では既に弾道ミサイルが作られていたから、あまり意味がなかった?それはさておき、これが発展して、現在の航空管制に使われているらしい。それに、SAGEシステムで使われていたライトガンも、今やライトペンとしてクイズ番組とかシューティング・ゲームなんかに応用されてるんだってさ。画面に光を当てて感知させる装置だね。

あとはIBM System/360ってヤツ。コンピュータの互換性ってものを開発したマシンなのだそうだけど、なんだかわからんコードの束がね、人間の脊髄と神経みたいに見えるんですよ。情報を収集して分析するという作業をするときに、物理的にはこういう構造になるんだなって思う。

それからDEC PDP-8。これはすごくポップ。パネルに使われている色が赤とかオレンジとかで。当時のIBMがリースに限っていたのに対して、ユーザーが自分のマシンを改造・拡張・改善することを可能にしたため、様々な分野のエンジニアや科学者が使用して色々な分野に組み込んで使ったのだとか。

それからComputer Controls CorporationのDDPシリーズ。これがInterface Message Processor(IMP)の心臓部だったらしい。これがARPANETという米国国防総省のインターネットに発展していったらしい。実際のIMPは実用一辺倒みたいな感じでちょっと色気がなくて、見た目が面白くないんだけど(笑)

他にも楽しい逸話がたくさん。今から考えたらバカみたいに巨額な費用を投じた巨大なコンピュータを使って研究者たちがゲームをして遊んでいた話とか、SAGEには灰皿とライターが付属していたとか。appleが出てくる辺りからは、外見的に現在のコンピュータとあまり変わらないので、写真としてはあまり面白くないものになるけれど、解説されていることは興味深い。

あとがきで訳者の方がこの写真集の写真について語られているのですが、まるで博物学者が書いたスケッチみたいだって。写真が一般的でなかった時代のそういったスケッチって、たしかに写真以上に細部が書かれているものですよね。この写真集の写真には、そういうスケッチ精神みたいなものが感じられるというのですよ。そうなんです。特に初期のコンピュータの写真には、温かみがあって、研究者やエンジニアたちのロマンが乗っかってる感じが伝わってきます。添えられている文章がそう思わせる部分もあるでしょうが、写真の力もあるのでしょう。

コンピュータがどう動いているのか。”0”と”1”との信号でとか、コアがあってメモリがあってとか、そんなことは知識としては”知って”はいても、なんで複雑な計算ができるのかどうも”納得できない”自分がいます(笑)なんでそうなるの?!自分にとっては、きっと永遠に<ブラックボックス>。だからこそ、こんな基本的な内部構造を目にすることができるのが、なんだか秘密を覗いているみたいで楽しいのかも。
posted by nbm at 12:13| Comment(4) | TrackBack(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月05日

而してその実体は…

NBMとは…ここでのわしら夫婦の名ですが、今日はこいつについて語ってみましょう。

”NBM”をググってみると、色んな略称に使われています。例えば、National Building Musium.
アメリカはワシントンにある国立建物博物館。えっとー建物を展示するわけにはいかないよね?どうなってんだ、ここ?しかも国立なんだよね。アメリカなんだから「くにたち」じゃないよね。「こくりつ」なんだよね。

それから、Narrative-Based Medicine。Narrativeってのは「物語」ってことで、医療の分野で、患者さんを科学的に診るだけでなく、患者さんの人生・生活などの物語として理解した上で治療をしようというような考え方をすることらしい。EBM(Evidence-Based Medicine)つまり臨床経験や科学的根拠に根ざした医療を補うものとして考案されたものらしい。患者さんとのやりとりに哲学的な要素を組み込もうとしているようなのだけれど、うぬぬぬ…難しそうですね。

NBM。水素化ニトリルゴムの一種。主鎖が完全に水素化されたアクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体。もはや何のことやらさっぱりわかりません。耐熱性や化学安定性に優れているため、各種のパッキンや自動車のホースやベルトなどに使われる素材のようです。

ナチュラル・ボーン・マスター。プロレスラー武藤敬司が一時期そう呼ばれていたらしい。2001年に新日本プロレスの武藤敬司を中心に結成されたBATT(Bad Ass Translate Trading)。「垣根を超えた悪ガキども」というような意味らしく、馳浩やドン・フライ、新崎人生などいろんなプロレス団体の選手が集まって結成されていた。翌年、武藤が全日本プロレスに移籍したことで消滅してしまったらしい。武藤敬司って、今は全日本プロレスの社長さんなんですね。

と数々NBMについて調べてみたわけですが、ここで使用しているnbmは、当然のことながらどれでもありません。nbmとは”Night Bus Master”のことです。別に夜行で高速バスを運転しているわけではありません。もう何年も前のことです。とある所に停められ事務所代わりに使われていたバスの中で、夜な夜な怪しげなことが繰り広げられていたのです。そこが”Night Bus”。そして、そこの主”Night Bus Master”こそが、うちのダンナさんだったというわけです。バスに灯りが灯っているとき、それは”Running(運転中)”と呼ばれ、中では主にPC関係の実験が行われておりました。オーバー・クロッカーでもあった彼らは、液体窒素を使ったり、ヒートシンクを研磨したりしてCPUの熱暴走を抑える実験もしてました。当時まだ先端だったflashで画像をこねくりまわしたりもしてました。社会に隠された仕組みについて議論することも。私は直接そこに参加していたわけではないので、真実を知るのはダンナさんと某友人のほぼ2名のみですが…。あまりにも先端的なことをやっていたために、当時、内輪で使っていたはずのBBSに、どこをどうやって知ったのか外部から侵入者が相次ぎ、「Night Busの場所を教えてください」という要請があった場所でした。残念ながら、もうありません。

というわけで、nbmは、本当はダンナさんのハンドル・ネームなのですが、このブログではほとんど私が使わせてもらっているという現状です。


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2006年12月03日

印刷屋の季節

数年前、ある仲間内の弟分の結婚式でのこと。
披露宴会場の入り口に飾られていた、新郎新婦の2人の似顔絵を描いて来たのは、一緒に受付をやっていた新婦側の友人の方でした。
うちのダンナさん:「Illustratorで描いたでしょ?」
彼女:「そうですけど…(なんでわかったの?)」
彼女は、絵を描くお仕事をしていて、Illustratorを使っているようでした。話を広げようと思い、
うちのダンナ:「(周囲の仲間を指して)この辺のヤツは、みんな使ってるから」
私:「ベジェ曲線とか難しいよねぇ」
彼女:「そうですね。なんか詳しいですけど、お仕事で使われてるんですか?」
私:「ううん。私はただの主婦
うちのダンナ:「俺、自動車屋。んで、あいつら、大工
彼女:「……」
彼女にしてみれば、仕事で扱ってるわけでもないのに、「何?このIllustrator使い率?」みたいなことだったのでしょう。確かに、そうかもしれません。元はといえば、仲間内にIllustratorを流布した宣教師がいたことが原因なわけですが…。
ということで、誰に習ったわけでもなく、超適当にIllustratorを使うようになってしまいました。とはいえ、絵がまったく描けない私には、ほとんど画像オブジェクトとテキストをペタペタとコラージュしているだけなわけですが。それでも、年賀状くらいは充分にできますもんね。で、この季節は双方の実家の分を頼まれたりして印刷屋と化するわけです。今日は、本人の希望を聞きながら義母の分を2パターン作成し、無事終了。まずは、ひと仕事終わりました。ふぅ。
大変といえば、大変だけど、結構楽しんでいたりもするのです。絵の描けない私は、若かりし頃、雑誌の広告などを切り取って、まさにコラージュを作ったりして遊んでたことがあります。そんな感覚なので、楽しいexclamationここ4年くらいは、干支の写真をPhotoshopで加工して使ってたんですが、猪はどうにもかわいくないので、今年は干支の素材はムリ。まだ悩んでます。どうしよっかなぁ。
posted by nbm at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月10日

シントシンとアキハバラがブクロで出会う

久々の西新宿。何年ぶりでしょうか。都庁が建ってから、もう15年は経ってるんですねぇ。

ビル群を目指す手前で下水道デーのイベントに遭遇。友人某がデザインし、うちのダンナさんが名付け親である下水道局のマスコット”アースくん”の巨大な人形がexclamation爆笑しそうになる。

以前は浮浪者で埋め尽くされていた動く歩道の反対側が、奇妙なオブジェでふさがれるようになって何年経ちましたかね。

パークハイアットで野又穫作品展を観た後、以前から来てみたかったザ・コンラン・ショップをのぞく。輸入雑貨なんてものは、もう街に溢れて手アカが付いた感があったのですが、なんか斬新。イギリスってのは、やっぱりどこかタガがはずれてる。伝統と最先端が融合してて面白かったです。

池袋に戻って、大型書店でとある本を探していると、携帯が鳴る。ダンナさんからで、「俺も今池袋にいるんだぁ」って、いつもならまだ働いている時間ですが?珍しく仕事から早くあがったそうで。最近、彼は原チャリでアキハバラに行くのが趣味です。昨日もアキハバラに行く途中で電話をしてきたらしい。「気をつけて行ってらっしゃい」ってことで、私はHMVへ。

syrup16gを初めて試聴して、衝撃を受けました。名前だけは知ってたんですけど、なんかスゴイ…初めてサンボマスターを聴いたとき以来の衝撃かも。魂が込められている感じがします。もっと、ちゃんと聴いてみたい。
コーネリアス『music』。これもスゴイ。「Gum」っちゅう曲。ボーダフォンの伊東美咲ちゃんが飛び出てくるCMでかかっていた曲とは、別物に聴こえました。イっちゃってます。「Clap&Whistle&Walking」もほのぼのとしながらもスゴイです。音を効果的に上手に使ってます。大体4曲で46分49秒ってなんだよexclamation

この日、ダンナさんはアキハバラで、CPUやらデカいヒートシンクやらを買ってきたのですが、「公園にマザーボードが落ちてた」とゴミを拾ってきました。どうやら、コンデンサが逝っているようですが、「直すからいいもん」だってさ。しかし、公園にマザーボードが落ちてるって…アキハバラだなぁ。

って言ってるそばから…
今ダンナさんが帰って来たのですが、なにやらデカい箱をぶら下げてる。
「それ、なぁに?」
「ん?マザーボード」
って、またかい。
こうして、おうちにあるPCパーツのお山が大きくなっていくのでした。
posted by nbm at 14:08| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

祝!ニューマシーン!

普段使っていたマシンが熱暴走してフリーズを繰り返すようになってしまったため、新しいマシンが待ち望まれておりましたが、ダンナさんが今日1日をかけ、完成いたしました。

と言っても、20世紀の遺物ばかりを掻き集めたシロモノですが、それでも私にとっては今までで一番最高のスペックを誇るマシン。CPUクロックがやっとギガ・オーバーでメモリーもやっと768積んであるという・・・さらに、ただいま追加でテレビチューナー&ビデオキャプチャーカードを取り付け中。

ここしばらくは、おうちの中で4台のマシンが動いていますが、そのうち3台は自作機。これを書いているVALUESTAR自体も実際はもらいものの改造機です。

趣味の部屋の、これまた巨大自作デスクには、「ここは、ジャンク屋ですか」と見まごうほどのパーツ類が山と積まれておりまする。

熱暴走対策として、サイドパネルに直径12cmの穴をすり鉢上にファンネル加工して同径の静音タイプではないファンをCPUヒートシンクの真上に取り付けてました。ファンネル加工のパネルを見たのは久しぶり。あれは、セレロンの300Aのオーバークロックが大流行した頃でした。ダンナさんは、自動車のチューニング屋で、金属加工はお手の物。っつーか、あの頃はヒドかった・・・夜毎にNIGHT BUSの中で繰り広げられたオーバークロック。仕舞いにゃあガス冷却マシンとか作ってたもんね。20世紀末、ムーアの法則のCPUクロック停滞期に起きた一大ムーブメントだったのかしら。

PCの世界は進化の速度が速くて、パーツたちは、あっという間にゴミ扱いされるようになってしまいますが、こんなレトロなマシンでも、日常の作業には不自由しません。ソフトも古いバージョンのもので十分使えます。要は、使う側の人間かな。とかなんとか言っちゃったりなんかしちゃったりして。
posted by nbm at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピュータ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする