2010年03月13日

ベンチュリ?ベンチュラー?ベントラー?

ニコニコ動画を観ていると、技術部といって、くだらないものを色々と手作りしてみるという動画がありまして、とても興味深いです。中には完成度の高いものもあって、ムダな技術力に感心すること多し(笑)
昨日は、ダイソンの羽根の無い扇風機を作ってみるという動画を観てみました。100均で買えるような材料とCPUファンを組み合わせてますが、なかなかうまくいかない様子。そりゃあそうですね。この方、流体力学を考えてないんじゃ?でも、そのチャレンジ精神は買いますよ!

んで、ダンナさんのダメ出し。
「ベンチュリ効果を考えなきゃね」
ベ、ベンチュリ?何それ?
「動物専門の探偵じゃないよ」
ジム・キャリーの『エース・ベンチュラ』ね。も1回観たいな、アレ。…じゃなくて!

ベンチュリ効果とは、Wikipediaによると「流体の流れを絞ることによって、流速を増加させて、低速部にくらべて低い圧力を発生させる機構」。
たとえば、パイプの左から右へと空気が流れるとします。パイプの真ん中を絞って細くすると、細い部分の圧力が低くなって、左から空気が吸い込まれ右側に抜けるときにその風力が増加するというわけです。
ダンナさんがいつもお仕事で使っているエアガンも、このベンチュリ構造により、高圧のエアが噴出す仕組みになっているとのこと。エンジンのキャブレターなども同様に、ベンチュリ効果が応用されているという話でした。
つまり、霧吹きはベンチュリ効果の賜物だったわけですね。

ダイソンのエアマルチプライアーは、本体の下部からモーターを使って空気を吸い込み、吸い込まれた空気が上部の丸い輪っか部分を通るわけですが、輪っかの断面を見ると飛行機の翼のような形になっていて、空気はこの翼型の中を通り抜け、1.3mmの開口部から吹き出します。そうして、輪っかの前方へと空気が流れるわけです。もちろん輪っかの背面からも空気は入るし、吹き出す時にもまわりの空気を巻き込むということで、結果的に吸い込んだ空気の15倍の風量となって吹き出されるということらしい。構造から上手に風流・風圧をコントロールしてベンチュリ効果を応用し、作られているということだね。その他にも、輪っかの形状における翼型の角度とか、開口部の隙間の開け具合とか、流体力学を駆使して作られているのでありましょう。
これからは、後発でこれを真似したものが出てきたりして、やがて羽根のない扇風機が一般的になっていくのかもしれません。しかし、そうなると、もはや”扇風機”とは言えないよね。扇の部分が無いんだからさ。顔を近づけて「あ゛〜」とか言って遊んだりもできないね(笑)

そういえば、”ベントラー”って知らない?
その昔、「UFOや宇宙人と交信するんだ!」って言い張ってた人たちが、丘の上とかで手を繋いで輪になって「ベントラー、ベントラー」って唱えてたんだけど…(笑)
もしそれが宇宙に届くとしたら、どういう仕組みになってんのかなぁ。テレパシーってのは一番簡単だけど、エシュロンみたいにすべての音をキャッチして分析する技術とかあったりして?(←本気にすんなって?)
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2009年07月17日

全体は部分の集まりか

昨夜は、この夏最初の花火が観られました。近隣で個人が主催する小規模のものだと思いますが。上空の風が強かったのか、花火がまぁるくならずに扁平にひしゃげてました。毎夏、3回くらいは部屋から花火を鑑賞することができます。

さて、今日は『渋滞学』Part2です。
まずは、人の渋滞について。明石歩道橋事故を例に、解説されていました。後の調査によると、通常は1uに5人で将棋倒しの状態になるらしいのだけれど、この事故のときは1uに10人以上の人口密度だったらしく、人が感じた力は1uあたり約400kg。将棋倒しどころではない”群衆雪崩”が起きていたのではないかという話。
私が将棋倒し寸前の恐怖を味わったのは、四半世紀ほど前のこと。友人の付き合いで行った、吉川晃司のミニ・ライブ。サンシャインの噴水広場が押し寄せたファンで大混乱に陥り、危険だということで途中で中止とあいなった。よく覚えてないんだけど、たしか「モニカ」を1コーラス歌っただけでひっこんじゃった。吉川晃司が出てくるのを待っている間、いろんな方向から押されて、たしかに半分パニック状態だった。ライブが始まってもそれはおさまることはなく…。付き合いで来たライブで死にたくはないと思ったのを覚えてる。
群集というのは、定義をすると「共通の関心や注意を引く対象にむかって特定の場所に集まった諸個人の一時的、偶発的な集合状態」となるらしい。街を歩く人を四角い枠で切り取ったところで群集とはならないが、特定の注意の対象があってはじめて群集となるわけだね。アイドルに群がるファンも、群集ってわけだ。これは心理学的なことだから、今回はつっこまないけど、群集となると、人は抑制がきかなくなって、欲望を満たそうとするものらしい。他の人よりも近くでアイドルを見たいという欲望が、オール・スタンディングのフリー・スペースだと凶暴化するわけだね。もちろん、お行儀のよいファンの集団があって当たり前だけれども、例えば、ライブの開演時間が延びてイラだったりとか、ほんの少しスパイスを加えるだけで、おとなしかった群衆が変貌しないとも限らない。

もし、デパートなどで火災に遭ったら…。買い物をしているときに、常に避難経路を考えつつ行動している人は少ないと思うけど、「逃げろ」といわれたら、”出口”を探して人が殺到するわけですよね。店員さんが非難する方向を適切に案内してくれればよいのですが。
運良く出口に辿りついたとしましょう。しかし、我先にという人で出口がつかえてしまったりして…。己の命がかかったパニックになってるときに、人に先を譲れるかって言ったら、そりゃあ難しいことでしょう。出口がつかえてしまうのは、一斉に出ようとする人自身がアーチを形成してしまうからです。橋やトンネルに使われる頑丈なアーチ構造ですから、こうなるとちょっとやそっとじゃ抜けられません。出口がつかえると、その後方で群集雪崩が起きてしまうのも時間の問題。
火災の場合、煙が横方向に広がる速さは秒速1m
程度。人の歩く速度は通常歩行でも1.3mということなので、横に広がる分には十分に逃げられるけど、煙が上に昇る速度は秒速5mほどだそうなので、自分がいる階よりも下層で火災が起きるとヤバイ。瞬く間に煙に巻かれてしまいますね。
しかし、一応、建築基準法で避難安全検証法というのが確立されて(平成12年度で改正)、防災性能が基準を満足しないと建築許可は下りないことになっているそうである。それ以前の建築物はわからんけどね。出口から一番遠い人が外に出るまでの時間を計算したりしているそうだ。で、重要なのが扉を1秒間に通過する人数。幅1mに対して、1秒間に1.5人が逃げられるようにしてあるのだそうだけど、パニック状態でこれが通用するのかどうか。事故が起きるときってのは、いつも想定外のことが起きるものだよね。避難経路として2方向を確保するというのも大事なことみたいだけど、ビルの管理がずさんで、片方が塞がれていたら?建築基準法で考えてくれるのはいいことだけど、安全だと鵜呑みにはできないな。
逆説的に聞こえるけれども、避難口の中央からちょっと横にずらした場所に障害物を置くと、避難時間が短くなる場合があるそうだ。これはまだ研究段階の話なので、無闇にマネすることはオススメできない。

ルーティングの問題もおもしろい。粉粒体間のエネルギー伝達は波、つまり音なのであるけれども、これが各粒つぶのどこをどのように通っていくのか、解明されていないらしい。
そこで、<スモールワールド>が登場。無作為に選んだ2人の人間の間は、ほぼ6人の人間を介すれば繋げることができるというアレ。この仕組みを考えると、隣の人に伝えていくような方法では目的の人にたどり着かない。どこかでショートカットもしくはワープすることが必要になってくるという。つまり、どこかの段階でハブになってくれる人に辿り着けば、そこからは早いってこと。知り合いのたくさんいる人がネットワークを張り巡らしてくれているから、そこに乗っかってショートカットしているかもってことだね。
こういうエネルギーや情報が伝達されるときに、一見ランダムに見える中にも、規則的な何かが介在している可能性があるということだ。うん、やっぱり粉粒体をモデリングしていくようなことをやっていくと、未知の考え方に出会えるような気がする。

と、巻末のまとめの章を読んで驚いた。
それは『砂時計の七不思議』とまったく同じことが書かれていたからだった。
つまり、「理解する」とはどういうことかという問題。著者も書かれた時代もまったく違う2冊の本に、同じ研究課題を扱っているとはいえ、なぜに同じ結論に?というか、「結論」というものが書けないからこそ書いておくべきことだと思えたのかもしれないけれども、ここにこの分野の不思議を見たし、また逆に可能性も見えたような気がした。

コンピュータを動かしていてもいつかは立ち止まってじっくり考え、得られた結果を要素還元的なアプローチで料理することが大切であり、それこそが科学だと思う。そしてそのような要素還元ができないならば、おそらく人類はその現象を永遠に理解できないのだと思う。


渋滞学を考える上で重要なASEPというモデルは、もともとタンパク質の合成工場であるリボゾームの動きを研究する過程で編み出されたものだという。
体内の血流、アリ、インターネットの輻輳、エレベータ、航空機、工場のベルトコンベアー、森林火災、ウィルスの広がり、お金の流れなど、渋滞と呼べるありとあらゆることについて言及されていて、興味深いことがたくさん詰まった本だった。

おしまいにもうひとつ。電車やバスで「時間調整のために停車します」というアナウンスを聞いたことはありませんか。過密ダイヤで運行されていると、こんなことがよくありますね。
この調整をしないと数珠繋ぎのダンゴ運転になってしまって、輸送の効率が悪くなってしまうのですよ。
列車で考えて見ましょう。ある駅で乗降客が多くて停車時間が長くなると、次の駅での到着が遅れて、駅にまた人が溜まってしまう。すると、同じことの繰り返しで、どんどん遅れていくことに。逆に、その後ろの列車は、前の列車が乗客を乗せていってくれるためにガラガラだしあまり乗降に時間がかからない。そして、前の列車との間隔がどんどん狭まってしまうことに。
つまり、時間調整をして列車間の距離を一定に保つことが、輸送効率を上げることになるというわけです。あのアナウンスを聞いても、イライラせずに待ちましょう。とはいえ急いでいると、なんかイラっとするけどね(笑)
これって、あの寺田寅彦さんが、すでに考察されていたことらしいです。

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2009年05月20日

対ならざる世界

昨日も書いたように、”CP対称性の破れ”について、ちゃんと勉強したいと思いつつ、なかなか気力と時間が追いつかないのですが、そんなミクロな世界に思いを馳せていたら、最近、このようなサイトを知りました。
Adventures beyond the decimalコチラです。
まず、鞄のマークをクリックしますと、ミクロの世界への旅が始まります。四角い枠がポイントになりますから、その中をひたすらクリックしていくと、どんどん小さな世界に入って行き、分子の世界からしまいには量子の世界まで辿り着きます(たぶん)。ゆっくりじっくりと旅したい。すべてを訪ねていないのですが、結局何からスタートしても、最終的に見える景色は一緒ってこと?

小林・益川理論については、子供向けにやさしく解説してくれているコチラのキッズ・サイエンティストを読むと、勉強になります。
私もまだ熟読していないので、定かではないのですが…。
世界は本来同じ数の粒子と反粒子から成り立っているはずなのですが、そう考えると、粒子と反粒子がぶつかって消滅してしまい、何も残らないはず。なのに、今世界があるということは、何かが”残っている”から。実際、この”残っている”ものは粒子の方で、反粒子が見つからない。となると、1対1でぶつかって消滅するばかりではないということになります。
この基本的な考えは、すでに1960年代からあったようなのですが、当時考えられていたように「クォークの種類は3つ(アップ・ダウン・ストレンジ)」と仮定すると、どうしてもそれが証明できない。クォークというのは、素粒子のひとつと考えられていますね。
で、1970年代に、小林・益川理論が登場するわけです。「クォークにはあと3種類あって、全部で6種類ある」と仮定すると、対消滅しないものが出てくることになる。素粒子の世界では、今まで考えられていたような物理法則が通用しないものがあるってことになりますでしょうか。
その仮説をもとに、3種類しか見つかっていないクォークに、まだ別種があるのではないかという確認が始まるわけですね。そして、1995年までに残りの3種類(チャーム・ボトム・トップ)が発見されます。そして、ようやくノーベル賞ということになるわけですね。
30年以上も昔に打ち立てられていた仮説を証明するために、何年かかってんだよって話ですね。
先日、とある番組に益川先生が出演されてまして、科学の発達に伴って、実験施設はだんだん大掛かりになって大きくならざるを得ないというようなことをおっしゃっておりました。もはや机の上や小さな実験室では済まされないと。たしかに、とてつもなく小さな素粒子の世界の事象を証明するために使う実験施設は、海外だとアメリカのSLACやEUのCERNなんて施設が必要なんですからね。CERNのLHC(大型ハドロン衝突型加速器)なんて、全周27kmですよ。意味がわからない…。日本国内だと、高エネルギー加速器研究機構のKEKBという衝突型加速器が茨城県つくばにありまして、全周は3km。CERNのLHCには規模では遠く及ばないものの、この施設を使ってCP対称性の破れが研究されているのだそうですよ。

ってことで、軽く上っ面だけを書きとめてみました。理解しているわけではないので、間違いがあったら、すみません(笑)
世界は、ドッペルライナー・システムでできてるってことか…(爆)←『黒神』より。
ドッペルゲンガーに会うと死んでしまうという俗説(?)がありますが、あながちウソではないのかもと思ってみたり…。
posted by nbm at 11:12| Comment(3) | TrackBack(0) | 物理学系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする